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“リトルガール”でバック・バンドのメンバー達が煽り立てるハンド・クラップにMOON STAGE中のオーディエンスが応え、そこにアコースティック・ギターを掻き鳴らしながら元気印そのもののmiwaの歌声が突き抜けるように響く。どっしりとした手応えのアメリカン・ロック・サウンドに、こんなキュートな歌声と現代日本女子ならではのリリックが乗っかってしまうところが、なんともmiwaのすごいところだ。「COUNTDOWN JAPAN!! miwaです! 私は今年3月にデビューして、このCOUNTDOWN JAPANが今年最後のライブになるんですけど、盛り上がっていきたいと思います! 次は私のデビュー曲です。“don’t cry anymore”」。うら若く愛くるしい歌声から一転、昂ぶった想いが乗せられた熱い歌声もここで聴かせてくれる。元気印と言える躍動感も泣きたくなるような想いも、聴く者の胸に鮮やかに転写してくれるのが、彼女の歌なのだ。
「もっともっと行けるかー!?」と煽った後に、ラテン風のパーカッションが小気味良いリズムを刻む“Wake Up,Break Out!”で強い意思表明が歌われる。そしてオーディエンスが一面にタオルを振り回し、激しくエモーショナルなロック・サウンドと真紅の照明の中で披露される“chAngE”へ。二十歳の彼女が味わい、そして見つめる世界から生み出された歌たち。それはどれもが発見と戸惑いが宿されていて、そしてその中で歩を進めようとする力強さにも満ちている。今回のステージで最後に歌われたのは、この12月にリリースされたばかりのニュー・シングル“オトシモノ”。悲しいピアノの旋律が印象的なバラードだけれど、心のすれ違いについて歌うmiwaは、やはり力強く、毅然としていた。こんなふうに世界と向き合う彼女の物語は、何しろまだ始まったばかりである。2011年も、彼女の活躍を見守っていたい。(小池宏和)