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年内をもって活動を休止することが発表された175R。ステージにいち早く登場したKAZYA(G)、ISAKICK(B)、YOSHIAKI(Dr)が渾身の力を込めてインスト曲を奏でる中、現れたSHOGO(Vo)が「最後まで最高に楽しんで帰ってな!」と呼びかけた。そして“旅人”からライヴはスタートしたのだが、お客さんたちが振り上げる腕と大合唱の力強さは、とにかく冒頭から圧倒的。
凄まじいタテノリでフロアが揺れた“ハッピーライフ”を経て最初のMC。「今日は活動休止前最後のライヴです。いろんな想いがみんなもあると思うけど、最後まで歌って踊って騒いでいってね。じゃあぶっ飛ばして行こうか!」とSHOGOが語って、“GLORY DAYS”“Freedom”“YOUR SONG”の三連発へ。お客さんたちは、ますます汗だくになりながら175Rに応えていく。そして、ここで少しモード・チェンジ。甘酸っぱいメロディをじっくり堪能できる曲が続いた。お客さんたちが掲げた腕が優しくフロアで揺れた光景、曲中で一瞬マイクを離して届けられたSHOGOの生の歌声が非常に印象に残った“Hello”。“「手紙」”ではステージのセンターに立ってマイクスタンドを掴み、全身全霊を絞り上げるように歌ったSHOGOを、みんなが息を呑みながら見つめていた。
「今までいろんな曲を書いてきましたが、この曲を書いて本当に良かったと思うし、この曲に何度も救われました」とSHOGOが特別な思い入れを表明した“シャイン、光の道しるべ”で、再び力強いビートに包まれた場内。「この想いが届きますように」というSHOGOの言葉を経て披露された“僕の声”は、刻まれる軽快なスカのリズムに合わせてみんなが明るくステップを踏む。「こんなもんじゃねえだろう! 声出せますか? 踊れますか? 歌えますか? こんな最強の夜はないぜ!」とSHOGOが宣言して始まった“Party”。KAZYAによるスリリングなギター・ソロ、SHOGOとお客さんたちとの間で交わされたコール&レスポンスなど、見どころを満載しながらフロアを無上のパーティー空間と化していった。
「結成13年目に入ったけど、今日やった曲は昔からのものもたくさんあるんです。音楽っていうものは色褪せないと思うんですよ。いろんな曲が皆の思い出のBGMになっていくから。こうしてステージに立てるようになるキッカケになったのが次の曲。この曲がデモ・テープに入っていたからなんです」。興味深いエピソードが明かされて演奏されたのは“SAKURA”。お客さんたちがサビで高々と投げ上げた大量のタオルが、桜色のライトに照らされる光景がとても美しかった。
「今日が休止前のラストだけど実感はないんだよね。メンバーそれぞれ大きくなって、また帰ってきたいと思います! 別に解散ではないので、次の曲でラストです。もっと行けるか! この想いは幕張のみんなに届くかなあ! 本当に今日はありがとね」。SHOGOの心の籠もった言葉を噛み締めながら、我々がラストに受け止めたのは“空に唄えば”。この日一番の熱い大合唱が場内を包む。「またいつかライヴで会いましょう!」とSHOGOが挨拶。メンバー4人が手を繋いで腕を高々と掲げてライヴは終了した。しばらく175Rに会えないのが寂しいのは確かだ。しかし、とても爽やかな気持ちで彼らを送り出すことができる、そんなステージだった。(田中大)