メニュー


『COUNTDOWN JAPAN 10/11』もいよいよ最終日!という一抹の感傷をぶっ飛ばす勢いでMOON STAGEに響き渡る、小林太郎のフライングVの爆音ディストーション! そして幕張メッセの屋根も裂けよとばかりに真っ赤に燃え盛る"freedom"の爆裂エモーショナルなボーカリゼーション! CDJ初登場&弱冠20歳とはとても思えない強烈な存在感とパワーでいきなりオーディエンスを圧倒していく。さらに"リバース"の小林のカッティングが会場の空気をフェスの高揚感ごとざくざくと切り裂いて広がり、タフなビートとギター・アンサンブルがMOON STAGEを丸ごとロックの彼方へ蹴っ飛ばすように炸裂! そんなテンションに触発されてか、開演と同時にMOON STAGEには後から後からどんどん人が集まってくる。が、ハード・エッジなパフォーマンスとは裏腹に、MCに入ると「太郎やで! 幕張のみんな、『COUNTDOWN JAPAN』のみんな、太郎やで!」「今年1年通して、ライブの時には目が開いていないということなので、来年は開けていきたいと思います……開眼!(笑)」とユーモラスに砕けたキャラを覗かせたりするのもいい。一転してシリアスな熱唱でもってMOON STAGEのオーディエンスの身体と心をびりびりと震わせた名バラード"サナギ"。「こっから盛り上がるぞおおおおっ!」というシャウトから雪崩れ込んだのは、グランジ・ディスコ的バンド・サウンドと破れかぶれな小林の絶唱がデッドヒートを繰り広げる"安田さん"!……日常のメランコリアを極限までメランコリックに、フラストレーションは極限まで激しく燃焼させる彼の音楽世界が30分という時間の中でMAXにスパークした、渾身のアクトだった。あっという間にフロアに充満した熱気に点火するラスト・ナンバーは"ガソリン"! いきなり2枚のアルバムでシーンの度肝を抜いた2010年を越え、来年はさらなる活躍を見せてくれるに違いない!と思わせる、堂々たるステージだった。(高橋智樹)