メニュー



 ASTRO ARENA・2日目一発目のライブ・アクトとして女王蜂、COUNTDOWN JAPAN初降臨! リハーサルの段階から響き渡るギラギラで極太のロックンロールに、いやが上にも期待と熱気が高まるASTRO ARENA。そして……開演と同時に轟々と吹き荒れるギギちゃん/やしちゃん/ルリちゃんのサウンドの中、しゃなりしゃなりとステージに現れたアヴちゃんの、神々しいまでに妖しく艶やかな立ち姿! 「ジャパアアアアン!」と絶叫しながら、カオティックな情念の赤黒い渦の奥底からロックンロールをずりずりと引きずり出してはASTRO ARENA狭しとのたうち回らせる、圧倒的なカリスマ性! 可憐なファルセットとドスの利いた低音を自在に行き来しながら、狂気の化身のような歌を披露するアヴちゃんの佇まいはしかし、強烈な「生」の手触りを聴いてるこっちにリアルに伝えてくる。そして、鼓膜も身体も痺れるような鋭利でダイナミックなアンサンブルと歌が、LEDで豪華絢爛に彩られた舞台照明と相俟って、濃密な「背徳と異世界の薫り」を振り撒いていく。
 金色の超ミニスカのコスチュームをきらめかせ、時折自らも鍵盤を操りながら「ようこそ!」「踊る準備はいいかしら?」とオーディエンスを熱狂の「その先」へと麗しく煽ってみせるアヴちゃん。時に性急に、時にダーク&ダーティーなビート感でもって轟音を噴き上げる「音の凶器」としてのアンサンブル。アンダーグラウンドでフラジャイルな世界観をそのままロックンロールのアート
フォームとして血肉化した音が、オーディエンス1人1人の感情の襞や傷口の奥深くまで染み渡り、たった30分でASTRO ARENAを完全支配してみせた彼女たち。ビザールで異形で異端で、だからこそ僕らの心のど真ん中を撃ち抜く、愛すべきロックンロール……その真価が、混沌の2011年が終わり行こうとしている「今、ここ」で高らかに炸裂していた。(高橋智樹)