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COUNTDOWN JAPAN 11/12、二日目のEARTH STAGEのオープニングを飾るのは、ASIAN KUNG-FU GENERATION。この一年の締め括りのCDJで彼らのライヴを見れることは、本当に感慨深い。開演前からびっしり埋め尽くされたフロアも、今、彼らを求める人が多いことを証明していた。一曲目の“フラッシュバック”から、いっせいに手が挙がる。そこから隙間なく、“未来の破片”へ繋げていく。大きく手を広げながら歌うゴッチの一挙手一投足からも、意思が感じられてならない。さらに3曲目は、フロアから「うわぁっ!」という声も聞こえた“電波塔”! 懐かしい楽曲だけれど、多くの心を震わせ続けていることがわかる。そして、至福のハンドクラップが響き渡った“アンダースタンド”へ。……ん? ここでふと気付いた。今日の彼ら1stフルアルバム『君繋ファイブエム』を曲順通りに演奏していないか? つまり、1月にリリースされるベストアルバム『BEST HIT AKG』の初回限定盤に付いているDVDに収録されているスタジオライヴを、この大舞台で公開してくれたということなのか! その事実を裏付けるが如く、“夏の日、残像”、“無限グライダー”と続いていく。このアルバム名曲揃いだな! 改めて感動してしまった。そして、ゴッチは唯一の長いMCで、「一年が終わろうとしています。まだまだいろんな場所で困っている人たちがたくさんいるので、そういう人たちに少しの優しさをね、音楽好きのみなさんといっしょに贈っていけるように活動していきます」と、今のスタンスを表明していた。その後すぐに“その訳を”を鳴らしだすと、お祭りムードを誘った“N.G.S”、ゴッチの咆哮が響き渡った“自閉探索”、“E”と畳み掛けていき、“君という花”へ。もちろんキラーチューンということには変わりないんだけど、物語の中の登場人物のように自然に聴こえてきたのは、私だけだろうか。そして、ラストナンバーは“ノーネーム”。演奏を終えると、一人一人順に頭を下げて去って行った。最後にゴッチは、着ていたTシャツの「NO NUKES」の文字を、力強く示していた。

MCで触れたりすることはなかったが、あまりにも印象的だったセットリスト。久々に聴ける楽曲に歓喜しながらも、今年のこと、バンドという存在のこと、アジカンのこと、いろんな思いが去来してならないライヴだった。(高橋美穂)