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COUNTDOWN JAPAN 12/13 クイックレポート



さあ、初日EARTH STAGEのトリを務めるのはASIAN KUNG-FU GENERATIONだ。最新ツアーのサポート・メンバーを含めた顔ぶれで登場。喜多建介(G・Vo)のブルージーなリフが掻き鳴らされる中、後藤正文(Vo・G)が手を打ち鳴らしながら歌い出すナンバーは……ベックの“ルーザー”! サビ以外の部分に日本語詞を配したカヴァーだ! うおお、かっこいい。そんな驚きで幕を開けたステージを、爽快感と共に駆け抜けてゆく“All right part2”。更には批評性と怒りに満ちた鋭利なロック・サウンドが突き抜ける“N2”と、現在進行形のアジカンを総勢7名の編成で描き出してゆく。パーカッションに三原重夫、キーボード&ギターに上田禎、そしてコーラスには、本日COSMO STAGEに出演し、伊地知潔(Dr)がサポートを務めた岩崎愛。広がりと奥行きに満ちた圧巻のアンサンブルで“AとZ”“新世紀のラブソング”と披露されてゆくが、そこに大仰な感触は無い。楽曲そのものが、予めこれだけのアンサンブルを受け止めるだけの器を備えていることに驚く。

“ブルートレイン”に続いての“Re:Re:”では、重厚なサウンドをグイグイと牽引していた山田貴洋(Ba・Vo)が、ヒートアップしてゆく終盤、興奮気味にしゃがみ込み、ゴッチはフィニッシュの瞬間に仰向けに倒れ込む。この曲の作曲チームにとっても感無量のサウンドだったのだろう。そしてゴッチは「すごいタフな時代を迎えてると思うんだよ。転換期っていうか、自分たちでいろんなものを良い方に引っ張っていかなきゃいけない。でも、ここにこれだけの――みんな音楽が好きなんでしょ? なんとかなるかもって思った。本当にありがとう」と告げ、EARTH STAGE一杯のオーディエンスが歓喜のステップを踏む“踵で愛を打ち鳴らせ”へ。正しくロックな熱量をもった、しかし誰もが歓迎すべき変化が加わったアンサンブルで本編最後に届けられるのは、“マーチングバンド”である。

アンコールに応じると「いい夜だね。みんな気をつけて帰ってね。あとはじゃあ、みんなが聴きたい曲を何曲かやるよ」とゴッチ。大歓声&大合唱を巻き起こしながらプレイされる“リライト”が凄かった。喜多は気持ちで弾き倒すような熱いギター・ソロを繰り出し、そしてギターを置いて引っ叩きまくる。最後の最後に“君という花”を披露してメンバーは礼をして去っていった。ゴッチの言う「いろんなものを良い方に」とは、例えばこんなライヴをきっかけに始まる新しい生活のことなのかも知れない。(小池宏和)