メニュー
COUNTDOWN JAPAN 12/13 クイックレポート



モノトーンの衣装に身を包み、凛とした存在感でCOSMO STAGEに登場した家入レオ。まずは“イジワルな神様”で心の内側にある傷を丁寧に取り出すかのように歌う。時に伴う痛みを振り払うかのような力強い体の動きと、ただ叫ぶだけじゃ何も始まらないんだと知っている彼女の柔らかな歌声がしっかりと響いていく幕開けだった。そしてオーディエンスとの距離を一気に縮めたのは、ひたむきなメッセージと決意を込めた “Shine”。《変わらないものは いつもここにあって/もう失くさないで 感じる力 君は持ってるから》と歌いながらフロアを左から右へと指差していく様が印象的だった。

「これから歌う曲は、私にとって大切な人に作った曲です」と歌われた“キミだけ”は、鍵盤の音色のミニマムな伴奏から始まり、彼女の心の訴えと共にドラマティックな展開を響かせる。まだ10代とは思えない破格の表現力は、ファースト・アルバム『LEO』を10月にリリースしたことで、夏のROCK IN JAPANの時よりも更に深まっていた。

「今日はこうしてCOUNTDOWN JAPANで歌わせていただいていますが、私にとって今年最後のライヴになります。少し寂しい気もしますが、この会場のみなさんと一緒に寂しさを吹き飛ばすようなライヴにしたいと思います!」と、《愛なんていつも残酷でもう祈る価値ないよ》と歌われる冒頭のフレーズが印象的な“Bless You”へ。そしてデビュー曲“サブリナ”ではステージを左右に動きながら一層パワフルな歌を響かせ、たくさんのオーディエンスと共に拳を突き上げる。キャッチーなメロディの中に、やるせない想いを閉じ込め、思い切り歌う彼女。ラストの“Say Goodbye”では切なくも爽やかな風をCOSMO STAGEに吹かせて、ステージごとに大きな成長を刻んだ2012年を締めくくった。来年はどんな彼女に出会えるだろう? 楽しみでならない。(上野三樹)