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「どうも! group_inouです! group_……inouです!」という淡々としたコールに、ASTRO ARENAのフロアには狂騒空間への期待感がいっぱいに広がっていく。そして息つく間もなく“STATUS”“COMING OUT”“RIP”を連続投下! 広大な空間をアグレッシブに揺らしながら熱気をかき混ぜていく、cp&imaiのたった2人のトラックとラップ。「2人だからこその極限ソリッドな音世界」と「2人で描き出しているとは思えないハイパーでパワフルな音世界」の交差点から、僕らへ真っ直ぐ音と声を放射してくる2人のラフな佇まいからも、独特の不敵な存在感が滲む。

「どうも、どうもこんにちは! なんだかんだで3年連続で出てますね」とimai。「去年はカウントダウンの直後が出番で、《5、4、……》とカウントダウンのコールが聴こえてきた時はトイレに入ってた」とか「バックステージのソフトクリーム・マシンの近くにいたらスタッフと間違えられて3人分くらい作るハメになった」とかいう裏話の1つ1つでも、ステージとフロアのギアがさらにがっちりと合わさっていくのがわかる。時に重戦車の如きヘヴィなビートでフロアを底から揺さぶり、時にオリエンタルなトラックでめくるめくサウンドスケープへと聴く者を誘ってみせる2人。エレクトロ・ヒップホップ・オーケストラとでも言うべき“QUEST”の壮絶な音像の中で、情熱と衝動のすべてを振り絞るように絶唱するcp! キレキレのVJワークと相俟って、オーディエンスの快楽中枢を直接刺激してダンスへ導く“THERAPY”のビート感! すごい。

「どうすか? 楽しんでますか?」のcpの声に沸き上がる熱い歓声。「車の中から楽しんでた感じ伝わるんだけどさ、『向こう行ったら誰と話そうか? どんな有名人がいるかな?』って楽しみにしてても、なーんもないよね?」とimai。「『ライブよかったよ』とかいうと『嘘でしょ?』って言われるの。何でしょう、この人格?」と脱力トークを繰り広げた後、「最後、無茶苦茶盛り上げて帰るんで!」というimaiのコールで再び熱気MAXに。ラストの2曲、新曲と“MAYBE”でASTRO ARENAを爆裂ヘヴィ・ビートと鋭利なトラックの真っ只中へ叩き込む! 曲が終わると同時にスイッチOFF!的に暗転→終了、というあまりに潔い幕切れまで含め、どこを切ってもgroup_inouそのものの激濃な30分だった。(高橋智樹)