3日目MOON STAGEもこのcoldrainのアクトでフィナーレ！　満場のフロアに響き渡るクラップの中、Masato／Y.K.C／Sugi／RxYxO／Katsumaの5人が意気揚々と姿を現す。そして――“To Be Alive”1曲であっさりとMOON STAGEを掌握する音のダイナミズム！　ハードコア／メタル／スクリーモをありったけの情熱で融かし尽くした果てに、まったく新しい超硬質の重轟音サウンド・フォーメーションを立ち上げたような、壮絶でいて凛としたアンサンブル！　メッセの天井を割って天を貫くようなMasatoの凄絶なヴォーカリゼーション！　そのビートのひとつひとつが真っ直ぐに聴く者すべての胸に飛び込んで、魂を掴み揺さぶるように暴れ回る。“Adrenaline”に続いて「歌えますか東京！　声聴かしてくれますか東京！」と激烈エモーショナルな“The youth”でMOON STAGEをがっつり揺らし、フロアに高らかなシンガロングを巻き起こしてみせる。
　「楽しんでますか？　最高じゃないすか！　音楽を楽しむためにこれだけの人が集まって……最高のイベントだと思います！」とMasato。「明日から強い心を持って生きてください！」という言葉をそのまま“Die tomorrow”の爆発力に変え、“You”では高揚感の頂点めがけて高く噴き上がるサウンド＆メロディに合わせてMasatoとオーディエンスが一緒になって天を指す。もっと高く、さらに高く……という人間の根源的な衝動をそのまま音に置き換えたような高純度な音のひとつひとつが、そして続く“After dark”のヘヴィでタフなサウンドが、フロアをひときわでっかいクラップとシンガロングへと導いていく。
　ついさっきEARTH STAGEに一大ヘッドバンギング旋風を巻き起こした先輩バンド＝マキシマム ザ ホルモンを引き合いに出して「coldrainにもヘドバンの曲があります！　メイン・ステージのホルモンのヘドバンを抜いてやりましょう！　前から後ろまで頭振ってみろ！」（Masato）とさらにMOON STAGEを煽り倒し、その言葉通り“Fiction”の熾烈なサウンドとスクリームであたり一面ヘドバンの嵐に巻き込んでみせる！　“Rescue Me”で妖しくせめぎ合うY.K.C＆SugiのWギター、空気をびりびりと震わせるRxYxO＆Katsumaの強靭なビート……その逞しい音が、威風堂々としたヴァイブとともに胸に響く。
　「今日初めて会ったやつ、coldrainっていいますよろしく！　まだまだこれから何十年かやってこうと思うんで、2012年からよろしくお願いします！　音楽をサポートしてください！　ライヴハウスに足を運んで、音楽を楽しんでください！」というメッセージを叫び上げたMasatoが最後にコールしたナンバーは“Final destination”！　ひときわヘヴィで鋭利な爆音で、3日目のMOON STAGEを締め括った……と思いきや、鳴り止まないアンコールの声に応えて、再び5人がステージに登場！「こんだけ残ってくれるなら……最初っからやりたいですね！」と、1曲目の“To Be Alive”をもう1回爆演！　2012年のロック・シーンを狂騒の真っ只中に叩き込むに違いない、最高の音を轟かせてくれた。ありがとうcoldrain！（高橋智樹）