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華々しいポップ・サウンドと病的な歌詞世界によって熱狂的ファンを獲得し続けているアーバンギャルドが、2011年遂にメジャー進出を果たして大晦日のMOON STAGEに立つ。サウンド・チェック時からフリー・ジャズとメタルが正面衝突してしまったかのような狂った爆音をぶっ放して、フロアに足を踏み入れるオーディエンスの度肝を抜いているさまが痛快だ(一部、早くも興奮状態)。いよいよの本編1曲目は、スーツのポケットにキューピー人形を差した松永天馬(Vo)が持参の旗を振りかざしてフロアにスウェイを巻き起こし、浜崎容子(Vo)が身に纏ったワンピースの色と同様に真っ赤な恋に身悶える“スカート革命”だ。ツイン・ヴォーカルが揃って振付けを見せてくれる。「傷ついた皆さんにこの曲を贈ります!」と告げて“傷だらけのマリア”へと繋ぎ、エレクトロ混じりのバンド・サウンドの合間にはスタンド・マイクを振り回してデス声を放つ松永である。浜崎は浜崎で「芦田愛菜ちゃんに捧げます。“子どもの恋愛”」と演奏曲を紹介する。捧げるなよ、とも思うのだけれど、いつだって痛々しい歌詞が歌われるのに妙に胸をギュッと掴まれるようなリアリティを忍ばせているのがアーバンギャルドの恐ろしいところだ。さらに、松永がMC中に携帯で観客の写真を撮り始めると、浜崎「なにやってるんですか! 事務所通してください!」松永「みなさんの笑顔を収めようと思って……はい! つぶやいた!」浜崎「なんてつぶやいたんですか?」松永「”セックスなう”! ライヴはある意味セックスですから!」というやりとりから、『(天空の城)ラピュタ』ネタ(「バルス!」)まで挟み込んで、高速32ビートのトラックの上を暴れ回る“水玉病”、そして一息に辿り着いてしまった終盤は「早く人間に!」「なりたーい!!」のコール&レスポンスを敢行して巨大キューピー人形までもが乱入する“堕天使ポップ”だ。混乱に狂気を混ぜ込んでフェスのステージを掻き回し、「また会いましょう地獄でー!」というフィナーレを迎えて去って行ったアーバンギャルドであった。(小池宏和)