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COUNTDOWN JAPAN 12/13 クイックレポート



開演前から「この後ライブやります!」(浜崎容子)、「あー、あー、ところで、みなさんセックスはお好きですか!」(松永天馬)とマイクチェックがてらオーディエンスに呼びかけていたアーバンギャルドの面々、今回は2MC+3DJ(?)のDJスタイルでASTRO STAGEに登場! 1曲目“スカート革命”からフロアを重低音と背徳と歓喜で満たしていく……と、途中でトラックが止まってしまい、「もう1回アタマからやりますか!」とまさかの「おかわり」が実現。そして「一緒に踊りましょう! 社会に踊らされる前に!」という容子の言葉から“病めるアイドル”へ。《病めるアイドル やめないで やめて 闇を見ないで 泣かないで》というアーバンギャルドの存在証明的なサビのフレーズに合わせて、5人がステージ前列に並んで振り付けっぽく踊ってみせる図は、どこまでもポップでありながら、不穏なねじれを感じさせるものだ。そんな妖気あふれる空間に、《いつかわたしになりたいの/なれないの なりたいの》という“生まれてみたい”の歌声がさらに拍車をかけていく。 「この国は、踊れない国となりました! ここは美しい国なんかじゃありません! 鬱、苦しい国です!」という天馬のアジMCに続いて、天馬「明日も生きてていいかな!」「明日も死なないでいてくれるかな!」、観客「いいとも!」のコール&レスポンスを決めたところで「生きろ! これは命令形だ!」と“ノンフィクションソング”へ。そして最後は、「さよなら2012年。さよならアイドル戦国時代。さよならロックンロール。そして、さよならサブカルチャー」という容子の言葉から“さよならサブカルチャー”へ。極彩色のメロディが生み出すスリリングな高揚感を、旗を振りながらステージに現れた特大キューピー人形が無限大増幅して……終了。「また会いましょう! セックスはまさしくライヴだから!」と天馬。「名前だけでも覚えて帰ってね! 覚えなかったら……お前たちに来年は来ない!」と悪戯っぽく言い放って軽やかにステージを後にした容子。退廃のアイドルというフォーマット越しに性と生を撃ち抜く異端児5人衆の真価が凝縮されたひとときだった。(高橋智樹)