COUNTDOWN JAPANには毎年レジェンドが出演する。今年は甲斐バンド! まずは、バンドメンバーが現れ、ジャムりだす。華麗な演奏でフロアをあっためたところで、メンバーがハンドクラップをはじめると……甲斐よしひろが颯爽と登場! ぐるんとマイクスタンドを回して、“きんぽうげ”を歌いだす。ステージを右に左に歩みながら歌う、その存在感といったら! 続いては、小林旭の“ダイナマイトが150屯”のカヴァー。フロアにマイクを向け、歌わせる。熱く盛り上がる往年のファンと、一目見たいと思ってやって来たオーディエンス。両者が入り混じり、フェスならではの空気を作っていく。
ここでMC。「サンキュー、甲斐バンドです、オーイエイ! 楽しんでる? 楽しんでほしい、みんなに」と緊張をほぐすと、自分たちがこのフェスに出演する意味にも通じる、核心的な一言を放つ。「みんな、今の時代の旬の音楽が好きなんだろうけど、それに唯一対抗できるのは、普遍的な曲です」――その説得力を物語る“安奈-2012-”がスタート……しかし、何かトラブルがあったのか、中断し「ごめんごめん、ワンモア」と、また頭から演奏する。超ベテランだから当たり前なのかもしれないけれど、全く動じない! そして名曲! リアルタイムではない世代(筆者も含む)も、思わず口ずさんでいたはず。続いて、男臭い歌声が冴え渡る“翼あるもの”。途中、ジャケットを脱ぎ、ハンドマイクでステージを駆け回る甲斐。でっかいステージで魅せられる人というのは、こういう人のことなんだな。
いよいよ、ライヴは終わりに近付いてきた。「甲斐バンドの最後のナンバーになります。1月9日にセルフカヴァーベスト『ROCKS』がリリースになります」と告知した後、口にした曲名で歓声が起こる。そう、“HERO(ヒーローになる時、それは今)”だ! 後ろの方までハンドクラップ&シンガロング! 時代を越えてサヴァイヴしてきたアーティストの実力は、ハンパではない。見れて良かった。(高橋美穂)
甲斐バンド のCOUNTDOWN JAPANクイックレポートアーカイブ
