リハでKEMURIの“P.M.A(Positive Mental Attitude)”をやってくれた時点で、沸き上がらずにはいられなかったHEY-SMITH。何と、開演前から入場規制が掛かる大盛況ぶり。いよいよ5人が弾けるように飛び出してくると、猪狩(G・Vo)が「マクハリー! やりたいことやって帰れよ!」と叫び、一曲目の“Endless Sorrow”へ。もう、見渡す限りダンスフロア! 轟くホーンの音色とメロディックパンクの疾走感という音楽性だけで高揚させられるけれど、彼らの場合はそこにたっくさんのプラスαがある。京都大作戦で見た時も思ったけれど、どんなオーディエンスも一瞬にして掴むくらい、押しまくるパワーと高過ぎるテンションを持っているバンドなのだ。続く“Drug Free Japan”でも、満(T.Sax)とIori(Tp)がステージで駆け回るわ煽るわ止まらない!
ここで猪狩がMC。「ライヴハウスは誰が来ても平等、ようこそライヴハウスへ! 男も女もジジイもババアも、まとめて掛かって来い!」――だからこそ、フェスでもこういう光景を作ることができるんだな。“Theme Of HEY”でも、たくさんの手が突き上げられて、高い場所から見ると絨毯みたいなほど。さらに猪狩は「数あるステージからここを選んでくれたっていうことは、君らの期待に応えなきゃいけないと思っています」と逞しく言い切り、現場で生きるバンドならではのメッセージがこもった“Download Me If You Can”へ。そして、タイトルのままにジャンプが勃発しまくった“Jump!!”、思いっきりヘッドバンキングとスカダンスが起きた“We Sing Our Song”などなど畳み掛けていき、最後は激昂の“Come back my dog”! 彼らとオーディエンスがいなくなった後のCOSMO STAGEが、嵐が去ったように見えるほど、完全勝利と言うに相応しいライヴだった。(高橋美穂)
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