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COUNTDOWN JAPAN 12/13 クイックレポート


デビューしてからというもの、目を見張る勢いで進化を続けてきた北海道・稚内出身のGalileo Galilei。2012年9月に尾崎雄貴、佐考仁司、尾崎和樹の3人編成となってバンドの新章に突入し、ミニ・アルバム『Baby, It’s Cold Outside』を携えたツアーを経て迎えた今回のステージである。カラフルに明滅する電飾が小さな要塞のように積まれた機材を彩り、その中に収まる和樹と、ステージ上手でベースを奏でる佐考を両翼に、中央のざき兄=雄貴がオートチューン・ヴォーカルで歌いだすナンバーは“リジー”だ。情感溢れる歌心が、エレクトロニックなダンス・ロック・サウンドに映える。アルバム『PORTAL』に収められたドリーミーなインスト曲“Swimming”を挟むと、佐考もシンセサイザーに向き合う“さよならフロンティア”のマッシヴな音の鳴りが凄い。オーディエンスは大歓声を上げながらバンバン跳ね上がる。そして“明日へ”と華々しいシングル曲が続くのだが、触れるたびに生まれ変わってゆくような楽曲/アレンジメントの成長ぶりはどうだろうか。世界中のインディー・ロック・アクトと共振する活動を経ながら、しかしGalileo Galileiはいつでも我々が今触れるべきど真ん中のポップ・ミュージックを届けてくれる。そうこうしているうちに、通り掛かりの人々も次々に引き寄せてしまう感じで、COSMO STAGEはみっちりとオーディエンスに満たされてゆくのだった。

オートチューンを絡めているとはいえ、ざき兄は元々が優れたヴォーカリストであり、“星を落とす”の思いを帯びた歌声が高らかに伸びる。和樹は機材群の中でギターを奏でていた。「今後も、僕らのことを知ってたとしたら、仲良くしてください」とざき兄が告げ、今回最後の楽曲は“Imaginary Friends”。若さと、しかしどこか老成したような鋭い視線が混在しながら投げ掛けられる奥深いメッセージを、大勢のオーディエンスは身を揺らしながらも真剣な面持ちで聴き入り、或いは共に口ずさんでいた。(小池宏和)