２日目COSMO STAGEに、2012年『She See Sea』で晴れてアルバム・デビューを果たしたHINTOが登場。少年隊“仮面舞踏会”で詰め掛けたオーディエンスのハンド・クラップと歓声を浴びながら4人が登場し、オープニング・ナンバーの“にげる”を繰り出す。安部コウセイ（Vo/G）と伊東真一（G）、そしてビッツ君こと菱谷昌弘（Dr）はスタイリッシュなスーツで揃え、紅一点のサポート・ベーシスト＝林束紗は何と紫色の凛とした着物＆袴姿。こんなヴィジュアルで、ちょっと捩れたマインドがユニークなフックの歌を生み出し、力強くダンサブルなロックを披露してしまうのである。「初めての人はなんのこっちゃ分からんと思いますけれども、今日はキメてますー。最後まで楽しんで行ってくださいね！」とコウセイ。
爽やかな疾走感が持ち味でありながら、ライヴでは音源以上の熱が込められる“びいち”、間を置かずに伊東の悲鳴のようなギター・プレイが火を吹く“バイトさん”とフロアを弾けさせると、今回及び翌日に行われるHINTOのライヴをもって、林がバンドを卒業することがコウセイの口から伝えられる。これはちょっと残念な知らせだが、だから卒業式の学生みたいな格好をしているらしい。せっかくなので彼女の門出を目いっぱい祝したいところ。“トキメキドライ”ではリクルート・スーツの女性ダンサーが加わってHINTOの一口には語りきれないダンス・ロックを後押しし、圧巻のアンサンブルに突入する“めがねがない”ではコウセイはハンド・マイクで身を乗り出し、伊東と林は激しくヘドバンしながらプレイしていた。そしてオーディエンスによる一本締めとともに突入した“ぬきうちはなび”で勢いに乗ったままフィナーレを迎える。ややこしいマインドのまま踊るHINTOのロックが、短い時間ながら見事に咲き乱れたステージであった。（小池宏和）
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