エレクトロニックなノイズを振りまくファットなトラックが投下され、勢い良く躍り出るKREVA。“OH YEAH”で、前衛的でありつつキャッチーなフロウを走らせ、フロアをバウンスさせながら間の手をさそう。痛快なスキルと斬新なアイデアを早々に叩きつけると「サヨナラ2012年! みんなで2012年に手を振ろう!」と“Have a nice day!”の《He-y! Ho-!》の大振りなスウェイが視界一杯に広がる。このような巨大なステージでヒップホップのスペクタクルを巻き起こせるのが、KREVAのパフォーマンスだ。ビートに乗ってゆっくりとサングラスを外し、流し目を送りながらニヤリと不敵に笑うお馴染みのポーズを決めると、現代社会に真っ直ぐに向き合うことで溢れ出したエモーションがそのまま鋭いラップに、そして人々を焚き付ける歌メロとなって迸る“基準”“KILA KILA”といった楽曲が続く。そんな中で「2012年のイヤなこと全部吐き出そうぜ!」とオーディエンスにも高らかな声を上げさせていた。“イッサイガッサイ”の年末ヴァージョンもCOUNTDOWN JAPANでは今や風物詩のひとつとなっている。「2012年を振り返ると、このCOUNTDOWN JAPANの姉妹イヴェントであるROCK IN JAPANで、トリを務めさせて頂きました。去年も12/29にこのステージに立たせてもらってるんだよね。ありがとうございます。とは言えー!(右肩上がりのイントネーションで) 12/29の真ん中。ノー・プレッシャー。楽しんでやりたいと思います(笑)」。と余裕綽々である。そこで繰り出されるのが、2013年1月16日にリリースされるニュー・シングル曲“王者の休日”だ。風格と責任感、プレッシャーをまとめて引き受けるKREVAの、新たな決意表明がフロアを満たす。そして“音色”の後にはシンガー・SONOMIをステージに迎えて“ひとりじゃないのよ feat. SONOMI”、“NO NO NO feat. SONOMI”といった新旧のデュエット・ナンバーが華やかに届けられ、“C'mon,Let's go”はPVでもお馴染みの2コーラス目のアカペラが、更に鋭く磨き上げられたラップと伸びやかなコーラスで放たれ、オーディエンスは導かれるように手を打ち鳴らす。不変のリーダーシップを見せながら繰り広げられたステージは、“Na Na Na”の広がる歌声で万感のフィナーレを迎えた。(小池宏和)
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