「いぇーっ！　明けましておめでとー!!」。威勢のいい挨拶と共にKREVA、悠々と登場。年明け1発目のライヴは、ビートとラップだけというストイックなまでにシンプルな“Dr.K”で幕を開けた。先程の清志郎のド派手なそれとは対照的なステージ。だが、KREVAの驚くほど強く大きく響くラップは、あっという間にフロアの空気を掌握、手拍子の嵐が湧き上がる。
「お年玉をあげよう！」と、まずRHYMESTER／マボロシのMummy-Dが、続いて竹内朋康が登場。“ファンキーグラマラス”のマボロシVer.“ファンキーグラマラス Part.2”が披露される。このマボロシVer.、オリジナルと比べてよりファンタスティックな煌きを伴うポップ・チューンに仕上がっている。オーディエンスも皆両手を上げ、波のように左右に揺れている。何とも気持ちのいい景色だ。 “ひとりじゃないのよ”“言葉にできない”ではSONOMIの艶やかな声と絡み合い、“お祭りKREVA”では土着的な匂いを発して盆踊りのように客を踊らせる。ソロになって表現者としてのストイックな部分がより強く出てきているKREVAだが、DJ SHUHOを従えステージに立つ彼は、かつてと変わらぬエンタメ性を発揮していた。やはり彼は最高のエンターテイナーでもあるのだ。そこにKREVAの正しさと強さがある。ラストは“音色”。音楽への愛を素直に告白する、ちょっぴり切なくてとても温かなこの歌にこそ、尖がったラジカリスト、KREVAが極上のポップ・チューンを生み出すことができる、その理由があるのだと思う。(有泉智子)

1 Dr.K
2 コントロール
3 DAN DA DAN
4 ファンキーグラマラス
5 ファンキーグラマラス Part 2
6 ひとりじゃないのよ
7 コトバにできない
8 お祭りクレバ
9 BABY DANCER
10 音色