しょっぱなから、さとこ(太鼓の達人)がすんごい音圧のビートを放ちながら“幸せカップルファッキンシット”で、日本マドンナのライヴがスタート。デニムの短パンに黒タイツ、なんて、ごくごく普通の女の子のファッションをしているが、鳴らす音と楽曲は破格の凄みに満ちている。「あたしらは死ねとか重たい言葉を歌ってます。ひとつひとつの言葉に責任を持ってやってます。私は言葉に責任を持てないやつが大嫌いだ!」と言い放つ、あんな(ボーカルベース)のMCで始まったのは “バンドやめろ”。続く“汚したい”にしても、1曲1曲、決死の覚悟で3人が本気で音と向き合っているのがわかる。「次は私たちが昔からずっとやっている曲をやります」と“あるがままに”を丁寧に奏で始めた。これはビートルズの“レット・イット・ビー”に彼女たちが日本語詞をつけたもので、息苦しくてたまらないよ、なんて叫びが悲壮感に満ちたパンク・サウンドと共に歌われている。そして、まりな(ギターコーラス)による軽やかなストロークなのに実に味わい深いギターの音が最高な“村上春樹つまらない”、ほんとは死んで人生やり直したいなんてギリギリの想いをシリアスに吐き出す“田舎に暮らしたい”まで、グイッと胸ぐらを掴まれるような勢いの、日本マドンナというバンドの本気度が伝わる真摯なステージだった。(上野三樹)
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