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COUNTDOWN JAPAN 12/13 クイックレポート


2012年にめでたく結成15周年を迎えた、オリジナル言語ロックのパイオニア=B-DASHが、10年目のCOUNTDOWN JAPANに登場。オープニングSEからそんなに弾け回るのかというヴォルテージのオーディエンスに迎え入れられ、GONGON(Vo・G)が「こんにちはB-DASHでーす!」と上機嫌に挨拶したかと思えば、「行くぞー!!」とシャウトが轟き、早速3ピースのタイト極まりないアンサンブルが変幻自在な展開でぶっ飛んでゆく名曲“ハーコー”が披露される。瞬く間に沸騰してみせるオーディエンスも凄いが。続いて、Oiコールを巻いてソリッドなサウンドとともに朗々と歌い上げられる“ちょ”ではARASE(Dr・Cho)もシャウトを繰り返して煽りまくり、男気溢れるメロコアのお手本みたいな“PEPPO”にGONGONのエキゾチックなギターのメロディが浮かび上がるのだった。

レゲエ/スカの陽性ヴァイブを振りまきながら披露される“ヌカのやつ”、更にはトロピカルなバンド・グルーヴで繰り出される“嵐コンバイン”辺りは、タイトルからしてほとんど理解不能なのに、なぜこんなにもフィーリングが豊かに伝わるのだろうか。B-DASHの音楽の永遠の謎が、謎のままCOSMO STAGEを満たしてゆく。かと思えば、余りにも唐突に名曲“平和島”のピュアな思いの塊がゴロリと転げ出したりもするので、注意が必要だ。そして郷愁を呼び起こしまくる“やまびこ”ではTANAMANも《バイバイバイ》の荒ぶるようなコーラスでオーディエンスのジャンプとシンガロングを導き、燃え盛るようなエモーションを抱えて爆走する“炎”、更には満場のハンド・クラップで賑々しくフィニッシュする“Race Problem”と、30分ほどの持ち時間に9曲もの楽曲を詰め込んでしまったB-DASHなのである。余計な言葉は何もなく、ひたすらに歌と音の響きでもって感情を共有しながら上昇し続ける。そしてハッピーな余韻だけを残すという、圧巻のステージであった。(小池宏和)