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COUNTDOWN JAPAN 12/13 クイックレポート


2日目MOON STAGEのフィナーレを飾るのはplenty! サウンドチェックの段階からオーディエンスの熱い視線を集めていた江沼郁弥(Vo・G)、新田紀彰(B)、中畑大樹(サポートDr/VOLA & THE ORIENTAL MACHINE)の3人が、照明の落ちた舞台に静かにオン・ステージ、“枠”の目映いアンサンブルへと流れ込む。《言葉だけでも僕は残すよ。》という切実な言葉と旋律が、巨大な空間を飛翔するような江沼のハイトーン・ヴォイスと一体になって広がっていく。11月にリリースしたEP『ACTOR / DRIP / ETERNAL』の“ACTOR”で響かせた、聴く者の心をレッドゾーンへ追い込んでいくようなハード・エッジな音世界。麗しの歌に乗せて《人間そっくりなボクですが/それなりに生きてこれました。》とハッとするような言葉を歌い上げる“人間そっくり”。そして名バラード“あいという”へ……震えるほどに美しい音の風景に誰もが魅入られたようにステージ上の3人の姿を見つめている。

「たくさんいますね、人が。嬉しいです!」と江沼が語りかける。「このCOUNTDOWN JAPAN出てから4年目ですけど、最初はオーディションで選ばれて、初めて立ったのもここで。でも、今日は、トリです!」と語りかけてあたたかい拍手と歓声を受けつつ「……でも、調子に乗らずに、地道に頑張っていこうかなと思います」と続ける江沼。「最後は40分(持ち時間が)あるんですよね。普通はアンコールに時間を回すらしいんですけど、俺らはアンコールはやりません。あと2曲、やります。みなさま、よいお年を。さよなら!」と告げたところで、ライヴはいよいよ終幕へ。3人のアンサンブルがひときわエモーショナルな像を結んだ“蒼き日々”。そして、“傾いた空”の《何処へ向かうのだろう/いま終わりの先へ》と決然と歌う江沼の透き通った声が、MOON STAGEいっぱいに広がって……終了。透徹した才気と探究心が結晶化したような、感動的なひとときだった。(高橋智樹)