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舞台に颯爽と現れた阿部真央は、可愛らしくも、以前よりぐっと大人びた印象だ。19歳という年齢を抜きにしても、この、あどけなさと落ち着きが同居するところが、阿部真央の魅力といえるだろう。冒頭“人見知りの唄”は、アコギでここまで強力に聴かせることができるものかといわせるほどの激しいパフォーマンス。片ひざを立ててバンドメンバーを紹介したりしながら、すさまじい求心力で客を飲み込んでいく。時折見せる、くしゃっとした笑顔がなんともチャーミングだ。「サンキュー! 晴れたねー! よかったよかった」というちゃきちゃきとしたMCを挟み“ふりぃ”へ。「今を生きる」刹那的な衝動と、サヴァイヴしていくんだという決心が混ざりあうような、リアルな歌だ。ぐいぐいとドライヴする歌とギター、客を煽るさまはさながらロック姉御の貫禄! アコギを背中に回して歌い上げる姿もきまっていて、堂々としたものだ。ライヴでは初めてという貴重なお披露目となった“マージナルマン”に続いては8月発表の新曲“貴方の恋人になりたいのです”を演奏。「叶わぬ恋をしている人、したことのある人へ」と、じっくりと聴かせる。そして最後は、「また! 絶対! 会いましょう!」と、CMでもお馴染みの“I wanna see you”で締めくくった。まさに「鮮烈」「衝撃」という言葉がぴったりの、これからがもっともっと期待できるパフォーマンスだった。(羽鳥麻美)