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13:07 Hermann H.&The Pacemakers、
「5人」で挑む! 
8/1 14:40 UP

直前までは強烈な日差しが照りつけていたのだが、開演する頃、やや空が曇りぎみに。しかし、いつものSEに乗せてヘルマンがステージに登場すると……まぶしい!! ステージ上が、である。ドラムの梶山はシンプルだったが、キーボードの溝田は緑色のタンクトップ、ベースの石井は紫のパンツ、岡本のギター・ストラップも紫、サングラスに上半身裸で真っ黒に焼けた肌を見せている。強い色が目に飛び込んでくるのだ。1曲目“ROCK IT NOW!”でもったいつけて姿を現したウルフはオレンジの髪にオレンジのジャージ、なぜか背番号は「86」。軽やかな跳躍も、まぶしい!!! 「本当の夏の遊び方を教えてやるぜ!」という岡本の言葉に、お客さんがどよめいてライヴは幕開けた。“アクション”“ラッキーボーイ”“ナチュラル&ストイック”と、コミカルな味わいを含みつつ、アッパーでアグレッシヴな曲を畳み掛け、ステージも客席もぐんぐんテンションがあがっていくのが伝わってくる。気持ちいい。
昨年もこのレイクステージを大いに盛り上げてくれたヘルマンだが、昨年12月にギターの平床が脱退、5人編成になってからは初の今フェスになる。重要な存在を失ったという事実はどうすることもできないし、6人のヘルマンというバンドはもう存在しないわけだが、今日のライヴで改めて感動し、凄いと唸らされるのは、彼らが5人編成で曲をしっかりと育て直しているという事実である。リズム隊の脚力の増し方は凄まじく、かつては「おとぼけたイイ味出してる」というのが主な役割だったキーボード溝田の音も、曲の根幹に関わる旋律を奏でるようになった。以前の斜に構えたようなポーズや皮肉は彼らの味でもあったわけだが、それはやや弱まり、しかしユーモアは失わず、よりタフに、よりポジティヴにバンドが成長していることが伝わってくる。そんな感慨にふけりつつ観ていると、「一極バラード聴いてください」という岡本のフリがあって、“あまつゆのバラード”。ややアップテンポ目で今日は演奏されたものの、ゆったりとしたピアノのイントロが美しく、ヘルマン史上最もストレートで優しく甘い曲が、レイクステージの風に溶けこんで広がっていく。
“Good News”“Runaway song”“東京湾”と畳み掛ける。“Runaway~”の前奏途中で岡本、「やべえ、うちの姉貴を発見してしまいました」とMCして笑わせる。「SISTER」とアドリブで連呼していたのには笑った! その後、気持ちイイから特別に! ということでお馴染みのハッピー狂騒ナンバー“One,Two,Three ,Four”を、そして、ラスト、“サマーブレーカー”で締めくくった。「いい夏を過ごしてください!」と呼びかけて岡本はステージを去ったが、もうすでに、このステージが「いい夏」だったと思う。(大前多恵)
LAKE STAGE遠景。ヘルマンの熱演に
LAKE STAGE全体の温度が上がる

お昼どきとあって、
長い行列を作るお店もそこかしこに