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175R  曇り空の下のサマー・オブ・ピース
12:20  グラス・ステージ 
8/1 13:50 UP

 本フェスで様々な物語を編み出してきた中村一義につづくライヴ・アクトは175Rである。代々木フリーライヴで2万5千人のオーディエンスを集めた、その動員力。そして、幅広いリスナー層に受け入れられる、その楽曲の浸透圧。初登場ながら、まるで顔なじみのような親和性を感じさせるバンドである。
 オープニングSEの孫悟空のテーマにつづき、“旅人”“smash”から助走なしのスタート・ダッシュ! BPMが速くて、機動力の高いビートに乗ってSHOGOの歌がまっすぐに会場に放たれていく。中村一義とは違った意味で、とても陽性の空気がひたちなかの空間を満たす。太陽がさしこむようなライヴ・パフォーマンスである。会場の躍動感を一気にピーク・ポイントへと引き上げていく。
 パンク・バンドとして認知されている彼らだが、ぼくがいつもユニークだと感じるのは、ヴォーカル・SHOGOの歌い回しである。かなり極端な言い方だが、水前寺清子ばりに“こぶし”をきかせるのが似合いそうな、そんな節回し。それがあるからこそ、175Rのサウンドは日本の唄として独自の懐かしさを帯びている。4曲目に演奏された“空に唄えば”、6~7曲目の“和”“「手紙」”のようなミディアム/スロウの楽曲を聴くと、彼らがなぜオリコン初登場第1位を獲得したか、その普遍性の秘密がわかるのである。携帯メールが当たり前の時代に「手紙」と打ち出す、ある種古典的なセンチメンタリズムが彼らの個性を決定づけている。“和”では輪になって踊る観客が、“「手紙」”ではじっくりと感傷的なメロディに耳を傾ける観客が目立つ。グッとくる。「みんな一緒」という感覚と、遠くの人を思う孤独が、不思議と同居していた。
 そのときDJブースでは片平が「サマーソニックに行かない人のために」とストロークスの“LAST  NIGHT”をスピン! 踊る観客、多数!  そして175Rの最後の曲は“SAKURA”“ハッピーライフ”の代表的ナンバー2連発!!! 大合唱が湧き上がる。ひたちなか全体の温度が一気にあがる、あがる、あがる。曇り空の下で汗を流すオーディエンスが大量発生する、これもまた音楽の力。
それにしても第一声から最後のMCまでSHOGOは一体どらくらい「楽しんでください!」と言っただろう?  フェスの思想のひとつをそのまま代弁するようなアクトだった。「楽しみ」に一点集中し、そのためにすべてを突破するビートの突進力とまっすぐな歌詞とメロディを紡ぐ――175Rの音楽性は、まさにフェスの思想と双子の関係にあった。(其田尚也)
175R直前、
みんなすごくハッピーな顔をしてました

愛知から参戦!
ケツメイシとスカパラが楽しみ!!