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Syrup16gが、降り注ぐ太陽の意味を変える! レイク・ステージ 13:10
8/3 15:30 UP
ひたちなか、本当に暑くなってきました!!みなさん、くれぐれも無理しないで!
オフィシャル・パンフレットに「晴れたら出ない!!」と偽悪丸出しで書いた五十嵐がステージに現れてあっさりと言った。「晴れたね」。そしてさらいに言う。「アッチい」。登場してのMCはそんだけ。で1曲目はいきなり新曲、9月発売のシングル“パープルムカデ”。いいぞお五十嵐! このレイク・ステージが、どんどんとSyrup16gのものになっていく。もう、ART-SCHOOLの登場以来、そしてこのSyrup16gでさらに、このレイク・ステージはどんどんと異空間化されていっている。2曲目はいきなりのシャウトでお客さんを湧かせる“空をなくす”。いや、シャウトっていうより、ギリギリ――“絶唱”というべきだろうな。歯ぎしりのような性急なストロークが、この曲の“絶”っぷりをさらに後押ししていく。2曲目が終わったなり「次は最後の曲です! どうも有難うございました!」と叫ぶ。この偽悪ぶりにはファンも慣れたものなんだろう、悲鳴をあげる人は少ない。さらに「来年観られないかもしれないから、よろしく」、とも。
最新アルバム『HELL-SEE』より“ex.人間”。Syrup16gの魅力の象徴のひとつである透明感あるギターが弾けていく様は圧巻。アルバム中屈指の名曲にお客さんの集中力はいやがうえにも高まっていく。“生活”を経て、“真空”へ。“真空”は、「透明感」とはまた別の、Syrup16g本来の魅力――ロックンロール・バンドとしての純粋な魅力に溢れる曲だと思う。ルートを突っ走っていくベース、そしてマシンガンのようなギターのストロークで会場を巻きこんでいくのだ。そのまんまなだれ込んだ“神のカルマ”も素晴らしい。「太陽がいっぱい」というリリックが強く跳びこんできた。この瞬間だけ、照りつける太陽が、祝福としての太陽ではなく、狂気の象徴としての太陽になる。
“Sonic disorder”。五十嵐の破れかぶれの“絶唱”、美しいハミング、激しいギター・ストロークが入り乱れる。ベースとドラムがさらにその混沌ぶりに磨きをかけ、美しさへと昇華させていくのだ。
ラストのMCで、五十嵐は「僕も楽しみますから……みんなも、いい、いい、いい……」とまで言ったが、言葉が止まってしまい、五十嵐は髪をかきむしった。ああ、この人の言葉と思考は、きっとそのままだとこういうふうに出口のない迷路に入りこんでいくんだろう、と思った。そして、それを救い出すのが音楽なんだ、とも思った。そうして鳴らされた最後の曲は“正常”。微動だにしないで、じっと耳を傾けている観客。太陽は降り注ぎ続けているが、この地を熱するのではなく、冷やしているようにすら思えてくる。フェスに似合うアンセム感とはかけはなれているはずのこの曲が、とてもこのフェスのこの瞬間には正しいと思える。音を鳴らし終えたのとほぼ同時に、彼らはステージからあっさりと消えた。Syrup16gらしさを貫徹した、素晴らしいライヴだった。(柳憲一郎)
LAKEのオフィシャル・グッズも残りわずか、
お求めの方はお早めにどうぞ。

リップスライムとバンプ・オブ・チキンがお目当てという二人。
大きいかき氷がおいしそうです!