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彼らがひたちなかに帰ってきた。2002年以来だから、5年ぶりってことになるのか。ハナレグミや100sやohanaやマボロシや、とにかく毎年メンバーの誰かしらは必ず出演しているのでなんとなくいたような気がするが、いなかったのである。そして、帰ってきたのである。時間ジャスト、髪の毛を赤く染めて登場した永積タカシ(Vo/G)が「ぶっ飛ばしていくから!」と叫ぶと、パンパンに膨れ上がった客席エリアから大きな歓声が上がる。みんなこの瞬間を待っていたのだ。「ありがてえなあ」とつぶやき、天を仰ぐ永積。いや、感謝したいのはこっちです。戻ってきてくれてありがとう。

“マッケンLO”からはじまって“コミュニケーション・ブレイクダンス”へ。5年のブランクはバンドをどう変えたのだろうと観ていたが、拍子抜けするほどいつも通りのSuper Butter Dog。もちろんファンキーで、心地好くて、なのにメロウで、ちょっとダークで、そしてピュア。永積のヴォーカルの魅力が最大限に引き出された新曲にして大名曲“大安”はバンドの復活とこの幸福な空間を祝福するように響き、“日々GO GO”でステージに飛び入りしたMummy-D(RHYMESTER)の姿は、ここ数年のメンバーそれぞれの活動が、バンドに有機的に還元されていることを物語る。文句なし。これがSuper Butter Dogだ。(小川智宏)