元々リリースの度にじわじわと知名度と枚数と動員を伸ばしていたのに加え、最近ではアジカンなどからのラブコールもあって今やすっかりインディ・シーンの急先鋒となったOGRE YOU ASSHOLE、ロック・イン・ジャパンに初登場。GRASS STAGEで中村一義が「♪ど~う?」とあの甲高い声を響かせた30秒後に、同じく甲高い出戸学(g/vo)の第一声で、1曲目“辺りはここ”をスタート、3曲目には「初めてライヴでやります」という前置きの後、10月にリリースされるニュー・アルバム収録の曲“サカサマ”を披露。にしても、終始「勝手に弾いてます」って感じでやけに楽しそうなギター馬渕啓といい、向かい合ってフロアを見もせずプレイするとベース平出規人とドラム勝浦隆嗣といい、USインディとかオルタナティヴとか音響系とかそういう言葉で形容されることが多いのもわかる雰囲気ではあるんだけど、OGREの場合もっとこう、正体不明だ。国籍もジャンルも曲を届けたい相手もオーディエンスに求めるリアクションも、いちいち得体が知れない感じ。観ていて、一緒に歌うでも盛り上がるでもしっとり浸るでもない、ただひたすら「音に巻かれていく」感覚。その不穏さにフロアはすっかりやられていた。(兵庫慎司)
OGRE YOU ASSHOLE のROCK IN JAPAN FES.クイックレポートアーカイブ