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個人的に、今年SOUND OF FORESTに出演するバンドの中で最も森が似合うと思うバンド、OGRE YOU ASSHOLEの登場。軽快なクリーントーンの気持ちの良いリフが特徴のキャッチーな"ステージ"から、ライブはスタート。『フォグランプ』からの軽快な"ヘッドライト"、アニメ『蒼天航路』のエンディングテーマにも起用された浮遊感抜群の"ピンホール"と、深みがあって美しく、同時にどこかが決壊している独特のサウンドを音楽の森に響かせ、オーディエンスをゆらゆらと揺らす。この時間の会場は明らかに今日の最高気温34℃を超えているような気がしてくるほど暑く、たまらずに出戸が「足の裏がもうなんか牧場みたいになってます」と、いつでも丁度良く力が抜けている彼らしいっちゃ彼らしい、不思議なことを言った後に披露されたのは、9月1日に発売されるミニアルバム『浮かれている人』からのナンバー"バランス"。この曲がとんでもなく良い。少し霧がかかったような森の中で、色々な音素がひしめき合っているようなイメージの、SOUND OF FORESTにぴったりのナンバーだ。USインディー色の"コインランドリー"の後の"フラッグ"では、平出と勝浦の生み出す体の芯まで響いてくる重低ビートと、出戸と馬渕の鳴らす美しいメロディが絶妙なバランスで溶け合ったバンド・アンサンブルをオーディエンスは全身で堪能。ラストは、薄暗い森を駆けていくかのような中毒性の高いスリリングなナンバー"アドバンテージ"。演奏は段々と激しさを増していき、最後には今日一番の激しさでもって、音楽の森を一気に駆け抜けた。(前島耕)