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最終日のウィング・テントの前半は、本当にレベルの高いギター・バンドのニューカマーたちが揃っていると思う。このPeople In The Boxも、3ピースのシンプルさを生かしながら深みのあるソングライティングが光るバンドだ。“はじまりの国”の静謐なメロから転調し、まぶしさを湛えたサビに突入するところからもう、彼らのマジカルなサウンド・トリップに連れて行かれる。“6月の空を照らす”“失業クイーン”と1stアルバム『Frog Queen』からの曲が続けて演奏された後、「こんなノリづらいバンドに来てくれて……でもそれが好きなんでしょ?」というヴォーカル波多野のMCに続き、「次はライヴで始めて披露する曲です」というドラム山口の一言で鳴らされたのは、蒼い衝動がドクドクと波打つ、軽やかな躍動感にあふれた新曲。童話のような叙情性が深く刻まれたリリック、くるくると色を変化させるヴィヴィッドなサウンドにずぶずぶと身を沈めて良く感覚は最高に気持ち良い。ラストはドリーミーで伸びやかなヴォーカルが印象的な“She Hates December”からドライヴ感満点の“ペーパートリップ”で完全燃焼!(林敦子)