1曲目“レントゲン”の《さあ虐殺のスタートだ》のフレーズが響き渡れば、真夏の夕暮れは一気に凍てついた白昼夢の風景へと塗り替わる。そして、“泥の中の生活”では静謐なイントロから一気に轟音カオスの爆心地へ到達! 「心の闇」と「ポップ・ミュージック」を両手に抱えて爆走する変拍子ポスト・ロック集団、People In The Boxのアクトは常に驚きと戦慄に満ちている。「こんにちは。People In The Boxです。非常にインドアな感じのバンドなんですけど、外でやるのも非常に……いいです!」と、この暑さの中でも白い長袖シャツをきっちり着込んだ波多野(Vo・G)と、「はいはい、盛り上がってまいりました! 後ろのほうまでパンパンですよ! 元気ですか! ハンパねえな、これ! みんな、People In The Box好きですか?……いや、そんなに言ったら照れるじゃねえか!」と飛ばしまくりの山口(Dr)のギャップも面白い。そして、ラストの“ペーパートリップ”で歓喜の底めがけて大爆走を繰り広げるような圧巻のプレイ! しなやかに、軽やかに、ハードに、エモーショナルにカオスを鳴らす異能の3人……その圧倒的なポテンシャルが炸裂した30分間だった。(高橋智樹)
People In The Box のROCK IN JAPAN FES.クイックレポートアーカイブ