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すぐ近くに海を臨めるSeaside Stage。真夏100%の青空が頭上に広がり、熱い光線が降り注ぎ続けるが、時折爽やかな海風が吹き込んできて心地よい。そんなこの空間の今年のトップバッターを飾ったのはmiwa。シェリル・クロウの"Strong Enough"が大音量で流れる中、笑顔を明るく光らせながら登場した彼女だったが、愛用のアコースティック・ギターを肩にかけ、力強くストロークすると、全身のシルエットが突然シャープな凛々しさを帯びた。そして始まった1曲目"don't cry anymore"。TVドラマの主題歌としてお茶の間にすっかり浸透したこの曲は、様々なお客さんが観に来ているフェスの現場で、最高の名詞代わりチューンとなったようだ。観客フィールドは次々と人で埋め尽くされていった。

「ようこそ~! みんな盛り上がってます? 次の曲を聴いてください」と元気に挨拶し、miwaのカウントで始まった次の曲は"Wake Up, Break Out!"。ギター、ベース、ドラム、キーボード、パーカッションのバンド・メンバーと共に明るく躍動するサウンドが、お客さんの熱い手拍子を誘って止まない。エネルギッシュに揺れるフィールドを眺めながら、彼女が浮かべる笑顔は、「フェスの現場で音楽を思いっきり楽しんでいる!」という幸福感を、我々に目いっぱいに実感させてくれた。

「熱いですね。今日はわたしにとっての初めての夏フェスなんです。さっきまですごく緊張してたんですけど、どんどん楽しくなってきました。みんな一緒に楽しくなってくれますか?」と呼びかけて始まった3曲目"リトルガール"は、キラキラしたアメリカン・ロック・テイスト。彼女の願い通り、誰も彼も楽しみまくる幸福なパーティー空間が天井知らずに形成されていった。アコギをフィンガー・ピッキングで爪弾きながら、しっとり聴かせた4曲目"めぐろ川"は、彼女の歌声の柔らかな肌触りをじっくり堪能させてくれた。ラストに聴かせてくれたのは、"chAngE"。今までの曲で使っていたアコギから黒いエレキギターへと持ち替え、勇ましいビートを響かせる姿が文句なしにカッコいい。miwaも、バンド・メンバーも、お客さんも、汗だくになりながら完全燃焼! 魅力をたっぷりと示したステージであった。(田中大)