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熱いステージが繰り広げられてきたSeaside Stageに、ひんやりと心地いい空気を届けてくれたのは、北海道発の4人組・sleepy.ab。1曲目"メロディ"で成山が歌い始めた途端、目の前の景色が一瞬で変わってしまった。しなやかで、透明で、広大。静謐で、情景的で、ありそうでどこにもない唯一無二の音世界。そして、音や言葉の端々から、強い芯を感じる歌詞--あまりにも伸びやかな成山の歌声、エフェクターを巧みに操りながらその世界を構築していく山内のギター、厚くも繊細なリズム隊の織り成す音が、夕陽で染まった空を突き抜けていくようだ。

「sleepy.abと申します。よろしくお願いします」と成山が静かに挨拶をし、続くは"四季ウタカタ"。次なる"ドレミ"の頃には、sleepy.abの音が身体に染み入っていて、静かなる快感に全身が襲われる。オーディエンスも気持ちよさそうに、身体を思うがままにゆらゆら揺らしている。

ラスト"Scene"では、今までセンターに置かれた椅子に座りながらプレイをしていた山内が立ち上がり、めくるめく視界が変化していくような、壮大な世界を構築して、ステージを去っていった。あまりにも心地良く、感動的で、一瞬だけど永遠に続くようなステージだった。MCでB・田中が話していたのだが、現在絶賛アルバム制作中とのこと。待ち遠しくて仕方がない。(岡崎咲子)