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荒々しいリズムから、脳天をつんざくギターと重厚なベースが重なり、いきなり即興ブルースをぶちかますザ・ビートモーターズ。RIJF初出演という気負いなどまったく感じさせない、堂々たる佇まいでSeaside Stageに集まった人々を圧倒する。「サマ――!」とか「オーラ――イ!」とか「ひたちなかー!!」とか、いきなり吼えまくる秋葉(Vo/G)。もうそれだけで、10年選手かってくらいの貫禄たっぷりのヴォーカリストっぷりを見せつける。シンプルでストレートなメロディで会場のシンガロングを誘う"アンドレア"で幕を開けたライブ。喉を鳴らした図太い歌声で荒ぶる感情をまっすぐに吐き出し、モニターに足をかけながらギターをかき鳴らす姿にオーディエンスも釘付けだ。

「暑いなか観に来てくれてありがとうございます。今日は昨日よりも暑いそうで……」と本日一番のじりじりと焼きつくような日差しがさす中、集まったオーディエンスをねぎらうように、ザ・ビートモーターズ流のバラード・ナンバー"きれいな少女"を熱く、濃厚に歌い上げる。しかし、Seaside Stageに涼風を吹かせるどころか益々の熱風を吹き荒らして、"素晴らしいね"へなだれ込み、行き先不明、予測不能の臨界点へと達していく。秋葉はギターを置いて、自らエコーを最大限にかけたマイクで叫び、フロアにはその反響音が立ち込めてサイケデリックな空間を生み出し、そこから一気にテンポアップしてスリリングな展開へと突入してフロアを熱狂させる。木村(G)は超絶ギター・ソロをかまし、秋葉は縦横無尽に暴れ回ってステージはカオス状態。《青い空 白い雲 光る太陽 そよぐ風》というまさにこの場所のことを歌ったような超濃厚なロックンロールは今日の日に最高にぴったりな歌となった。最後は"無理をしないで""ジェット先生"で駆け抜けるように爆音を撒き散らして、これぞロックンロールというべきステージは終了。退場間際、秋葉はギターを担いで、叩きつけるのか!?と思いきや、野球のバットのようにかまえたり、ギターを担いで歌舞伎の見得を切ったりしながら、お茶目にステージを降りていった。(阿部英理子)