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まだまだ日差しの厳しい午後4時半――今やこの国のヘヴィ・ロック・シーンの中核を担う"P.T.P."ことPay money To my Painがいよいよ登場。SEもなしにオン・ステージしたPABLOがジャキジャキとギターを掻き鳴らし、T$UYO$HI(B)とZAX(Dr)がヘヴィな重低音でライド・オン。いきなりラウドなジャム・セッションが繰り広げられるなか、ボーカルのKがゆったりと姿を現す。そして、集まったクラウドに向けて「Introducing……Pay money To my Pain!」と声を限りにシャウト! 間髪入れず妖艶なギター・リフが折り重なり、オープニング・チューンに突入。そう、最新作のタイトル・トラック"Pictures"だ。その激タイトなサウンドにあわせて、WINGのクラウドが波打つように揺れる!揺れる!!  Kはアパレル・ブランド「9 microphones」を主宰するなど、ストリート・シーンでも注目を浴びる存在とあって、小柄ながらスター性溢れる、そして異様に様になるボーカル・スタイルでステージをリード。切実かつ伸びやかなボーカルと鬼気迫る咆哮のダブル・エッジで場内の熱を高めていく(「今日は、ダイブとモッシュは、禁止だからなー!!」と注意事項もスクリーム!)。MCでは、「暑い中よく集まってくれました。P.T.P.魂を、俺たちのソウルをみんな感じてもらえればサイコーです!」とオーディエンスに共闘を呼びかけ、「速い曲は好きですか!?」と高速チューン"Against the pill"でWINGを一気に沸点へ。さらに「何を言われても、We are never surrender!」と畳み掛けた"Terms of surrender"は圧巻のひと言だった。ラストの"Out of my hands"を鳴らし切って、ステージ前で勝ち誇ったように――あるいはオーディエンスの健闘を讃えるように――高々とコブシを突き上げたKの姿がとても印象的。彼らがここで叩き付けた想いは、すべてのオーディエンスに深く刻まれたことだろう。(奥村明裕)