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赤塚ヤスシ(B・Cho)が「DOES」と大描きされたタオルを掲げて登場。歓声を上げるお客さんに向かって氏原ワタル(Vo・G)が1曲目を紹介した。「暑いね。曇天ならいいのにね」。そしてスタートした曲は勿論“曇天”……演奏中は大いにアグレッシヴなサウンドを連発するし、MCもぶっきらぼうなトーンなのだが、茶目っ気をほのかに滲ませた紹介で曲をスタートさせる技が、ライヴの要所要所で楽しいアクセントとなっていた。「天気いいね。こんな暑い季節は僕たちの季節です」→“僕たちの季節”。「ロッキング・オンベイビーはレイジーベイビーですか」→“レイジー・ベイビー”。「このフェスは明日もあるらしいですね。明日も来るのか?」→“明日は来るのか”……といった具合。しかし、笑っている暇もなく、演奏が始まるや否やスリリングなビートと爆音に巻き込まれて、汗だくで踊りたくなってしまうのがDOES。PARK STAGE全体が、終始不穏な集会のように揺れまくったライヴとなった。
特に後半戦の熱気はすさまじい。冒頭で森田ケーサク(Dr・Cho)の椅子の後ろに赤塚が立ち上がり、お客さんを煽ったのを皮切りに、誰も彼もが無我夢中で踊りまくった“修羅”。凄まじいシングアロング&なりふり構わないダンスのダブルパンチでフィールドが揺れまくった“バクチダンサー”。この2曲は、DOESのスリリングな魅力が存分に迸る印象的な一場面になった。その後は、新曲“ジャックナイフ”でお客さんを大喜びさせ、ラストを締めくくったのは“明日は来るのか”。森田が顔を真っ赤にしながらドラムを連打し続け、赤塚はバスドラムの上に飛び乗り、氏原がギターをバイオリンのように持って掻きむしると、ヤンチャし放題を展開していった最後。耳を鋭く刺激するフィードバック音を残していったステージ上を、慣習は暫く激しい拍手をしながら呆然と見つめていた。(田中大)