ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2013はいよいよ最終日を迎え、名残惜しい気持ちはあるけれど、今日も最高のドラマが幾つも生まれるはず。ここLAKE STAGEで男気溢れる幕開けを飾ってくれるのは、今年結成10周年を迎えているDOESだ。ROCK IN JAPAN FESTIVALのプロデューサー・山崎洋一郎による紹介&早起きオーディエンスの手拍子に導かれてメンバーが姿を現すと、氏原ワタル(Vo&G)はステージ中央で高々と両腕を掲げ、森田ケーサク(Dr&Cho)による荒馬の如きビートから始まる“バクチ・ダンサー”でさっそくオーディエンスを波打たせる。脚を大きく広げて腰を落とし、パワフルなベース・ラインを繰り出す赤塚ヤスシ(Ba&Cho)。そしてサポート・ギタリストも加わった4人編成のパフォーマンス。焦げ付くような、しかも色気にも溢れた歌声を迸らせながら“S.O.S.O”も披露したワタルは、歌に負けず劣らずの声で「おはよう、ロッキンベイベー!! 新曲、持って来たんで聴いて!」と紹介し、風を巻きながら疾走する痛快なナンバー“遠くまで”を披露してくれる。
そして、屋外のロケーションにずっぱまりな大らかさと、ヒリヒリしたエモーションを振りまきながら届けられる“赤いサンデー”。ワタルがニヤリと笑みを零しながら、指先でちょいちょいとオーディエンスを煽り立てて歓声を切り裂きながらスタートする“ジャック・ナイフ”と、10年の歩みを凝縮したステージを繰り広げてゆく。「すべてのロッキンベイベーに捧げる! 空に手が届くまで跳べ! 跳べ!! 跳べ!!」と、今度は哀愁の歌心を引き摺りながら豪快に“レイジー・ベイビー”を投下だ。“修羅”では、《雲無しの午後には/僕の修羅が騒ぐ》の部分を《ロッキンの午後には》と歌詞を歌い替えて歓声を誘ってみせると、この瞬間に陽の光によるパアッと辺りを一層明るく照らされる。偶然にしてもあまりに出来過ぎな光景である。
いよいよのクライマックスに向けては「激しい曲だから! 暴れすぎないように!」と親切にも注意を促し、猛烈にファストでパンキッシュな新曲“殺伐とラブニア”で追い込みを掛け、最後にはダイナミックにロマンを刻み付ける現在地“今を生きる”で見事なフィナーレ。さまざまな結成10周年企画のライヴも行っているDOESだけれども、何と言ったって、今のDOESが最高なのだ。(小池宏和)
この3日間の模様を凝縮した「ROCKIN'ON JAPAN増刊号 ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2013」は9月上旬発売予定です! 全ライヴ・アクトのセットリストは、そちらに掲載されます。
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