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超満員御礼のWING TENTにSUPER BUTTER DOGの“コミュニケーション・ブレイクダンス”が流れると、オーディエンスからの大、大、大歓声が起こる。3人がステージに出てくるだけで、ものすごい拍手と歓声だ。この特別な高揚感、そう、このWING TENTの大トリを、彼らSAKANAMONの3人が飾るのだ。

「ええっとですね……どうもいらっしゃいませSAKANAMONです!」という藤森元生(Vo/G)のMCを合図に“マジックアワー”でライヴをスタートすると、ものすごいハンドクラップと歓声がWING TENTを埋め尽くす。そんなフロアを見て藤森は、最後の「愛してるよビール」という歌詞を「愛してるよジャパン!」と変えて歌い、オーディエンスを沸かせる。“空想イマイマシー”では、ラストのブレイクのところで、藤森がなぜか“ポリリズム”を歌い始める。WING TENTは大爆笑&大歓声。歌い終えるとひと言、「“ポリリズム”でした」。これにも大歓声。もう本当に、SAKANAMONの一挙手一投足がWING TENTのオーディエンスを盛り上げている。“脳内マネジメント事情”でも、壮絶なハンドクラップが巻き起こる。SAKANAMONのキャッチーなメロディとポップなリズムが、WING TENTをぐんぐん夢中にさせているのだ。

「ここの時間を選んでくれて、ありがとうございます。ジャパ〜ン!……これ、言ってみたかったんです。これ、今日出てる人か、ひろみ郷しか言えないから(笑)」と語る森野光晴(B)。一見、飄々としたバンドに見えるが、いくつもの苦労や挫折を重ねてきたであろう3人が、WING TENTであんなにも楽しそうにライヴしていること自体が、一つのメッセージにようにも思える。

森野のMCに続いて演奏したのは、8月28日にリリースするシングル“花色の美少女”。豪快なバンドアンサンブルで疾走するこのナンバーは、新しいSAKANAMONの境地を示しているように思う。沸きに沸いたフロアを、さらにヒートアップさせるキラーチューンだ。さらに「社会のしがらみに、もがき苦しむ人に贈る曲です」と藤森が語って“カタハマリズム”を歌うと、フロアからは大合唱が巻き起こる。ステージのSAKANAMONもすごいが、WING TENTのオーディエンスの盛り上がり方もすごい。バンドとフロアが一体となって、感動的な祝祭空間を生み出している。

イントロのギターで大歓声が巻き起こった“ミュージックプランクトン”でライヴを終えると、オーディエンスからは巨大なアンコールが。再びステージに戻ってきた木村浩大(Dr)は「ありがとうあげ〜〜!」と絶叫し、失笑を呼び起こす。「憧れのフェスでアンコールもらえるなんて幸せです、ありがとう。実質的に呼んでくれたのはロッキング・オン・ジャパンですが、本当の意味で僕たちをこのステージに連れてきてくれたのは、ここにいる皆さんだと思います。ありがとうございます」と森野が語り、割れるような拍手をオーディエンスから呼ぶと、最後は「結成の時、初めてやった曲で、お客さんが一人もいない時からやってた曲を、このROCK IN JAPANのステージでやりたいと思います」と語って“妄想DRIVER”を披露する。妄想ばっかりのどうしようもない歌なのだが、こうやって満員のWING TENTで聴くと、不思議と猛烈に感動してしまう。こんなにもたくさんのオーディエンスを、自分たちだけのやり方で笑顔にしてしまったSAKANAMON、偉大である。ROCK IN JAPAN 2013、WING TENTの最後を、万感のクライマックスで飾ってくれた。(大山貴弘)





この3日間の模様を凝縮した「ROCKIN'ON JAPAN増刊号 ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2013」は9月上旬発売予定です! 全ライヴ・アクトのセットリストは、そちらに掲載されます。
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【SAKANAMON】過去の ROCK IN JAPAN FESTIVAL クイックレポート