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バンド・メンバーのスタンバイが整ったところに、黒いドレス姿の愛妻をエスコートしながら登場した玉置浩二が、彼女と軽くキスを交わしてみせる――最終日LAKE STAGE、「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」初登場のレジェンド:安全地帯のステージは、あまりにもドラマチックな幕開けを迎えた。まずは今年3月リリースの最新アルバム『安全地帯ⅩⅣ~The Saltmoderate Show~』から“半端そうにYes”を披露。時代を超えて日本を魅了してきた玉置のあの艶かしい美声が、ひたちなかの空を震わせている。そして、1987年の名曲“じれったい”へ。熱いシンガロングが沸き上がる中、「『ROCK IN JAPAN』のみんなを! もっともっと知りたい!」「『ROCK IN JAPAN』を! 死ぬまで続けて!」と歌詞をフェイクして、LAKE STAGEのオーディエンスをさらにぐいぐいと惹き付けていく。シンガーとしてのみならず、表現者としての存在感と訴求力が、とにかく破格に強い。矢萩渉(G)、武沢侑昂(G)、六土開正(B・Piano・Key)、田中裕二(Dr)にキーボード2名&マニピュレーターまで擁した分厚いサウンドを、彼の歌は鮮やかに貫いて飛翔し、特大の歓喜を描き出してみせる。

「暑いな!」と満足げに会場を見回しながら、“真夜中すぎの恋”(1984年シングル)ではアグレッシヴなダンス・ビートと共に激しく踊り、“1991年からの警告”(1991年アルバム『安全地帯VIII~太陽』)ではミステリアスなクリーン・トーンのギターと絡み合うように妖艶な歌を聴かせてみせ――と、各時代の名曲を次々に繰り広げていく安全地帯。「どうも! 安全地帯です! 短い時間だったけど、また会おう! 愛してるよ!」というコールとともに、最後に歌い上げたのは珠玉のバラード“清く 正しく 美しく”。《清く 正しく 美しく ぼくらは一つになれる》――どこまでも真摯で純粋な想いが、豊潤な歌声とともに、心に深く染み渡っていった。メンバーとともに舞台を後にする際、最後にもう一度舞台袖で愛妻とキスを交わしながら去っていった玉置。極上の歌とあふれる愛が、LAKE STAGEに大輪の花を咲かせたひとときだった。(高橋智樹)





この3日間の模様を凝縮した「ROCKIN'ON JAPAN増刊号 ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2013」は9月上旬発売予定です! 全ライヴ・アクトのセットリストは、そちらに掲載されます。
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【安全地帯】過去の ROCK IN JAPAN FESTIVAL クイックレポート