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さあ、お馴染み『ドラゴンクエスト』のオーケストラ曲“そして伝説へ…”に乗って、今年も10-FEETがオンステージだ。まるで爆風さえ感じさせるような3ピースの轟音で“JUNGLES”のイントロを切り出し、男性も女性もまとめて雄々しい《Wow oh》のコーラスを引き出されてカチ上がる。「かかって来いよひたちなかー!!」と熱の籠りまくった煽り文句を投げ掛けるTAKUMA(Vo/G)は低いポジションでギターを搔きむしり、NAOKI(Ba/Vo)は足を蹴り上げ、KOUICHI (Dr/Cho)が猛烈なビートを繰り出す“VIBES BY VIBES”が恐ろしく速い。そして早くも号泣の名曲“RIVER”だ。メロディの激流に押し流されまいと、フィールドからは全力のOiコールが上がるのだった。

「元気ー!? 連日の疲れと、今日の朝からの疲れ、ちょっとはある奴、手ぇ挙げて。ふふ、今日はそういう奴、大歓迎や。隣に怪我したやつとかいたら助けてやれよ! あと、痴漢は絶対にあかんで。ほんまに。痴漢したらマジでぶっ飛ばすからな」と、痴漢行為についてTAKUMAは、少し前に自身のブログに書き綴っていたことを、改めてこの場所でも真剣に訴えていた。熱い言葉を投げ掛けて準備が整ったところに手加減なく放たれる、“STONE COLD BREAK”や“SHOES”、そして“1sec.”といった、猛烈にエモーショナルでアップリフティングなナンバーの数々。オーディエンスも遠慮なく飛び込むことができる興奮が、そこには用意されていた。

「東日本大震災から2年とちょっとが過ぎて、ずいぶんいろんなところに当たり前が戻って来た。今日みんなとバカ騒ぎできて良かった。俺はライヴが好きです。昨日のこととか明日のこととか、いろんな気分を抱えて、確実に楽しいわけではないところが好きです」とTAKUMAは語り、半分は震災をきっかけに、半分は自身が経験した様々な別れのために生み出したと改めて紹介する美曲“シガードッグ”を、「すべての死別、別れに捧げます」と歌うのだった。汗を流して跳ね回る興奮があれば、じっと聴き入って心を揺らす興奮もある。限られた時間の中にありとあらゆる方法でロックしてみせる、いつでも総力戦の10-FEETである。“蜃気楼”を経て、そして幾つかのシンプルな例を示しながら「たった一言で、世の中が変わるってこと、覚えておいてください」と“その向こうへ”を披露すると、最後に “goes on”を繰り出して3人は去っていった。(小池宏和)




この3日間の模様を凝縮した「ROCKIN'ON JAPAN増刊号 ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2013」は9月上旬発売予定です! 全ライヴ・アクトのセットリストは、そちらに掲載されます。
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【10-FEET】過去の ROCK IN JAPAN FESTIVAL クイックレポート