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1曲目の“リバース”で、WING TENTの血が沸騰した。その歌声で、そのフライングVで、オーディエンスを一気に最高潮に盛り上げる。昨年は昼間のSEASIDE STAGEに登場した小林太郎が、今年は夕暮れのWING TENTで、そのロック魂を思い切り炸裂させた。

拳が上がり、怒号のような歓声が上がるWING TENT。「行こうか、オイ!」と小林が煽ると、フロアの熱気はさらにヒートアップする。髪を振り乱しながらギターを奏でる小林は、震えるほどの迫力を帯びていた。“frontier”では何度となく咆哮し、WING TENTに衝動を開放し、フロアへぶちまける。その衝動はもちろんオーディエンスに伝播し、フロアはまるで彼のワンマンライヴ会場のような熱狂だ。

「今年も呼んでくれてありがとうございます! 初めてのWING TENT、気張っていきたいと思います」というMCに続いて演奏したのは、7月にリリースしたばかりの1stシングル“鼓動“。ヘヴィなギターリフと4つ打ちのビート、そして時に切ないファルセットを聞かせる小林の歌声を持ったこの曲で、小林太郎はWING TENTを完全に掌握した。豪快かつ屈強なバンドアンサンブルと、小林のパワフルなヴォーカルは、ライヴが進むごとに凄みをましていく。“答えを消していけ”で見せた、魂を振り絞るようなシャウトは圧巻のひと言だった。

「今日は、ありがとう。初めての場所でしたが、とても楽しかったです」と小林。「行けますか! 行けますか! WING TENT、踊れますか!」と叫んで演奏した“安田さん”でライヴは壮絶なクライマックス。重厚なサウンドと迫力ある歌声で、ロックのスリルと興奮を一身に体現した小林太郎。深々とおじぎしてステージを去ると、WING TENTいっぱいに集まったオーディエンスからは、一際大きな拍手と歓声が送られていた。その魂の歌声に、心が揺さぶられ続けたステージだった。(大山貴弘)




この3日間の模様を凝縮した「ROCKIN'ON JAPAN増刊号 ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2013」は9月上旬発売予定です! 全ライヴ・アクトのセットリストは、そちらに掲載されます。
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【小林太郎】過去の ROCK IN JAPAN FESTIVAL クイックレポート