いよいよ最後のアクトを迎える時刻となったPARK STAGE。その壇上に丸山康太(G)、山中治雄(B)、菅大智(Dr)の3人が現れ、耳をつんざくような爆音セッションが始まる。その狂騒のなか、手を叩きながら(時おり投げキッスで)ボーカル・志磨遼平が登場――そう、この3日間数々の名シーンを生んだPARK STAGEを締め括るドレスコーズのライヴが遂にスタート! オープニングの“Lolita”から心地よくドライヴするサウンドで瞬く間にフィールドを巻き込み、“ベルエポックマン”、“SUPER ENFANT TERRIBLE”と矢継ぎ早にロックン・ロールを投下。全身黒ずくめの出で立ちで、マイクスタンドを抱きかかえるように歌い叫ぶ志磨は、まぎれもないロック・スターたる色気と異彩を放っていて、フィールド中の視線を釘付けにする。幾度も手拍子を煽りながら、「最後はやっぱりロックンロールに限るよ!」と当の志磨もドレスコーズとしては初となるROCK IN JAPAN FESTIVALのステージを目いっぱい楽しんでいる様子だ。
次第に夜の帳が下りるなか、「踊れるかい? ひたちなか!?」と呼びかけた中盤の“Automatic Punk”ではリズム隊による獰猛なビートが観る者をいやおうなしに踊らせ、続く今月リリースされる新曲“トートロジー”では高々と腕を掲げて《これがロックンロール わかんない奴は全員くたばれ!》と、とびきりのロマンティシズムを響かせる(その姿はあまりにもかっこよくて、引き伸ばしてポスターにしたいほど!)。「いよいよ最後が近づいてきたよ! 帰りたくないかい?」と終演が迫る頃に志磨が問いかけると、客席から全力の「帰りたくなーい!」という声が投げ返される。「とてもよくわかるよ。僕達もそう! このまま夜が明日にならないといいのにな。このまま明日が来なけりゃいいのにな! たくさんの音楽、たくさんの人間……2013、夏、どうもありがとう! さぁ終わりだよ、終わるよ! さぁ、終われ! それは哀しいことなんかじゃない!」と力強く呼びかけて、“(This Is Not A)Sad Song”をより一層ダイナミックに熱演。志磨は何度も手を突き上げてオーディエンスに交歓を求め、「最後、派手にトドメを刺す!」とラストナンバー“Trash”投下で沸き立つような歓喜がスパーク! まさにグランドフィナーレに相応しい、掛け値なしに最高のロックン・ロール・ショーだった。ありがとう、ドレスコーズ!(奥村明裕)
この3日間の模様を凝縮した「ROCKIN'ON JAPAN増刊号 ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2013」は9月上旬発売予定です! 全ライヴ・アクトのセットリストは、そちらに掲載されます。
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