「ダイノジパイセンすごい!」とDJブースに入るなりポロっと口にしたのは、ボカロ界のプリンス=八王子P。「じゃあ曲行きますか」とあくまでゆるーいスタンスの彼であるが、プレイに入れば一変。「踊れー!」の号砲を合図に、初音ミクからきゃりーぱみゅぱみゅ“PONPONPON”まで、洋邦もリアルもヴァーチャルも問わない楽曲すべてをバキバキの重低音ビートと共に打ち放っていく。絶妙なタイミングで鋭いスクラッチを入れ込んだり、キラー・フレーズをループさせたりといった手腕もお見事。もう、鮮やかなまでのDJさばきである。
「盛り上がってますかー?」とフロアを煽った後は、“Dream Creator feat. GUMI”、カーリー・レイ・ジェプセンの“Call Me Maybe”、TeddyLoidの“Fly Away”と繋げてギアを徐々に上げていく……と、ここでKEN THE 390が登場! ボカロとラップとエレクトロ・ビートが入り混じるカオティックな狂騒感がDJ BOOTHをじわじわと呑み込み、場内の空気はさらに熱を帯びていく。終盤に差しかかれば、ポルノグラフィティの“ミュージック・アワー”、ゆずの“夏色”、kz(livetune) × 八王子P feat. 初音ミクの“Weekender Girl”、SEKAI NO OWARIの“スターライトパレード”、“不死鳥”と、そのトラックリストはますます飛び道具連発の型破りなものに。「ロック・フェスだからボカロとかかけるの怖いと思ったんですけど、そんなこと関係ないですね。ここにいる人は純粋に音楽が好きなんだなと確信できました!」と興奮気味に告げた後は、ボカロDJらしくlivetune feat. 初音ミクの“Tell Your World”でフィニッシュ。そのドラッギーな音とビートの連続に、ボカロはもとよりDJアクトそのものに対する意識を刷新された人は、私だけではないはずだ。(齋藤美穂)
この3日間の模様を凝縮した「ROCKIN'ON JAPAN増刊号 ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2013」は9月上旬発売予定です! 全ライヴ・アクトのセットリストは、そちらに掲載されます。
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