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奥田民生、14回目のひたちなかの夏は、弾き語りスタイルでの登場。さっきまでLAKE STAGEで熱演を繰り広げていた安全地帯の“恋の予感”を歌い上げて感激の声を呼び起こしたり、“イージュー☆ライダー”を演奏して一面のシンガロングを巻き起こしてみせたりーーとすでに熱気十分だが、これはまだあくまで出番直前のサウンド・チェック。「チェックチェック、こんなもんかな?」「次はアコギチェック!」とさらに斉藤和義の“歌うたいのバラッド”を熱唱してみせる。「あ、こんな時間! 本番よろしくお願いします!」といったん引き上げた後、1分もしないうちに本番で再登場する民生に、満場の拍手と歓声が湧き起こったのは言うまでもない。この日本を代表するロック・マイスターが「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」に毎年出場(場合によっては1年に複数ステージ出演)を果たしてくれているのは実に幸せなことだ、と改めて思う。

「どうもこんにちは! 奥田民生です。よろしくお願いします! こういうフェスみたいなものっつうのはぶっつけ本番っつうか、リハーサルとかやらないのが当たり前なんで、緊張しています……大丈夫かなモニターとか?」ととぼけたMCで爆笑を誘いつつ、まずはセミアコとキックで“たびゆけばあたる”を披露、♪今日はたまたま ひたちなかのみち~ と歌詞をアレンジしてみせたりして歓声を誘ってみせる。続いてアコギで“それはなにかとたずねたら”。もうすぐフェスが終わる、という一抹の寂寞感がメランコリックなメロディが絶妙に絡み合って、満場のLAKE STAGEを吹き抜けていく。「続きまして、新曲を」と歌い始めたのは、9月11日リリースのニュー・シングル曲“風は西から”。アコギ1本で軽快なドライヴ感を描き出しながら、観る者の心を熱く震わせていく。

「今年から、晴れ男っていうのがもう終わったみたい。今年、某フジロックに行ってきたんですけど、雷雨!」とゆるっと語る民生。「これでもう伝説も終わりました! これからは普通のミュージシャンとして生きていきます。今まで『晴れ男』ってことでいろいろ呼んでもらってたんですが、今年の様子を見ると、来年は激減すると思われます。噛み締めて帰ってください!」と冗談めかしつつ、「本日メインの、トリのアーティストの曲をやろうと思います。“マシマロ”みたいなタイトルの曲です」とPerfumeの“マカロニ”にじっくりと豊潤な滋味を注ぎ込み、♪もう48だからということで~ と歌った“コーヒー”に「今」の濃密なヴァイブを吹き込んでいく。「フェスはまだまだ続きますので、気をつけて頑張ってくださいね! 次に来る時、晴れることを祈ってます(笑)」という言葉とともに“さすらい”を高らかに歌い上げ、「ジャパーン!」のコールで熱いシンガロングを生み出して終了――かと思いきや、「ペース配分間違えた!……アンコールありがとうございます!(笑)」とセミアコを手にもう1曲披露されたのは“マシマロ”。まったく新しいコード進行で、というかレッド・ツェッペリンの“ロックンロール”との合体ヴァージョンで披露された“マシマロ”が、新たな熱量と疾走感をもって胸に響いた。来年も再来年もずっとひたちなかで観たい!と心の底から思う、至上のステージだった。(高橋智樹)





この3日間の模様を凝縮した「ROCKIN'ON JAPAN増刊号 ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2013」は9月上旬発売予定です! 全ライヴ・アクトのセットリストは、そちらに掲載されます。
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【奥田民生】過去の ROCK IN JAPAN FESTIVAL クイックレポート