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開演時刻きっかりになると、場内のBGMが一転。弾けるようにポップな登場SEが鳴り響くと、すぐさま川島海荷、佐武宇綺、村田寛奈、吉井香奈恵、西脇彩華の5人がカラフルな衣装を身に纏い、頭上でハンドクラッピングしながら登場してくる。そのまま始まった1曲目は6月にリリースされたばかりの“Evolution No.9”。前進する意志と新次元への挑戦。そんな物語をストレートに歌い、目まぐるしいフォーメーションで体現する5人。間に合わせな笑顔はゼロ、どこまでもストロング・スタイルなオープニングである。続く“少女トラベラー”は、昨年初頭に初のTOP10ヒットを記録した、これまた彼女たちにとって重要なナンバー。サウンドは扇情的なトランステクノで、ある意味DJ BOOTHというロケーションにはピッタリだ。

冒頭こそストイックな展開でスタートした5人だったが、しかし最初のMCでは「ROCK IN JAPAN、はじめまして。初登場になります。私たちが9nineです」と、アイドルとして、フロアへと語りかける。そして、後半に会場の皆で一緒に簡単に楽しめる演出を用意してくるところは、まさに「正統派」アイドルである。この日は、メンバーと一緒にジェスチャーをして場内一体となるコーナーが用意され、5人がリズムに合わせて手を波打たせながら「ウェーヴ! ウェーヴ!」と言えば、オーディエンスもそれに続いて「ウェーヴ! ウェーヴ!」の大号令。続いては腕を交差させながら「クロス! クロス!」、はたまたハートマークを作りながら「ハート! ハート!」、そして最後は頭の横で腕を丸くして数字の9を作って「ナイン! ナイン!」と展開していく。

そして、このコーナーに繋がる形で登場した、古き良きアイドルソングの雛形ともいえる“One Kiss”では、最後にオーディエンスに向けての5人による投げキッスで締めるサービスぶり。純正派だからこそ出来るアイデアやポージングが続々と披露される展開に、こちらもまったく気が抜けない。あえて正統派という古典的な手法で逆説的に異端であろうとする彼女たち。そんな覚悟を強力に感じる、首尾一貫した「アイドルらしさ」に心打たれるライヴだった。(小池清彦)





この3日間の模様を凝縮した「ROCKIN'ON JAPAN増刊号 ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2013」は9月上旬発売予定です! 全ライヴ・アクトのセットリストは、そちらに掲載されます。
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【9nine】過去の ROCK IN JAPAN FESTIVAL クイックレポート