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「1ヶ所1曲ひとり多重録音レコーディング・ライヴ・ツアー」をコンセプトに掲げた「ひとりカンタビレ」の発展系が、「奥田民生の数人カンタビレ」。つい先ほどまでROCK IN JAPAN会場内のアーティストエリア内特設スタジオでレコーディングを行なっていて、その模様はUSTREAMで配信されていた。
スタート時間となり、奥田民生が登場。「本日、ずっと録音していました。まだレコーディングしていない部分もあるので、それをここで仕上げて、皆で聴いて、『ありがとうございました!』っていう感じかと(笑)。ジャパン初の『ライヴしないライヴ』みたいな」。主旨を説明して、早速ステージ上に設置されたパソコンに向き合い、作業を始めた。
コーラスがまだ未完成らしく、自らパソコンを操作し、該当箇所を頭出しながら歌入れを行なった民生。そして作業が暫く進んだ後、「皆様にも参加して頂きたい。これはフェスの歌なんですよ。《あついのがフェス》って歌詞を歌って欲しい」とお客さんたちに呼びかけた。何度か練習した後、本番へ。両腕を振って指揮をする民生のリードで、皆が一丸となって《あついのがフェス》というフレーズを合唱した。
そんなこんなで作業が進み、この曲のレコーディングに参加したゲストをステージに招き、試聴会となった。登場したのは、吉井和哉、曽我部恵一、昨日はTRICERATOPSとして出演、本日は吉井和哉のステージに登場する吉田佳史、大貫亜美(PUFFY)、PUFFYバンドのキーボーディスト渡辺シュンスケ。シンプルなフレーズのリピートで進行しつつも、コーラスや様々な楽器の音が少しずつ重ねられ、清々しい高揚感へと突き抜けていく仕上がりの曲となっていた。「タイトルはこの曲のコード進行(EとBm)にちなんで“EBm(イー・ビー・エム)”です」。曲を聴き終えた後、お客さんたちは大喝采。民生も満面の笑みを浮かべる。「いいじゃないですか。ありがとうございました! この企画、二度とないかもしれないけど……。ジャパンは会議をすることでしょう(笑)。この曲は配信するので、よろしくお願いします!」。民生が手を振りながらステージを後にし、「奥田民生の数人カンタビレ」はユルユルと終了した。(田中大)