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スタート前からMC を交えた本番さながらのサウンドチェックをしていたのは、今年注目のニューカマーのひとりであるソロ・アーティスト、小林太郎。満を持して、ROCK IN JAPAN初登場である。登場するやいなや、「小林太郎です。よろしく! 拳を上げろ、上げ続けろ!」とオーディエンスを煽りながら、"ドラグスタ"に突入。重厚で骨太のギター・サウンドをぶち放ち、Seaside Stageに19歳とは思えないほどの存在感と喉を潰したような色香の漂う声がこだまする。

「真昼間からこんな僕のためにSeaside Stageに集まってくださり、ありがとうございました。暑いけど楽しいから新曲をやります。曲名を言うと笑われるんですが……僕はいたって真面目です」というMCに続いて披露されたのは、新曲"サナギ"。王道のロック・ナンバーから一転、正攻法のバラードもしっかり聴かせるという彼の曲幅に驚かされる。愚直で真っ直ぐな歌詞は、オーディエンスのひとりひとりの心に寄り添うように、親密に響いていく。最後のMCでは、「今日はこのフェスに呼んでくださり、ありがとうございます。25歳くらいで出られればいいなと思っていたので、こんなに早く出ることができて嬉しいです」と言っていた小林。ラストはテレビの主題歌にもなったバラード "美紗子ちゃん"。彼の中に秘められているであろう膨大なエネルギーとポテンシャルが、どのような楽曲として解き放たれていくのか。今後がより一層楽しみになるステージだった。(岡崎咲子)