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「リハ終了なう」と、ライヴ前から笑かしてくれたコヤマシュウ(Vo)。今年で結成15年を迎える百戦錬磨のライヴ集団・SCOOBIE DOは、ジャズの名曲"A chant for Bu"のSEに乗せて、どこか余裕すら感じさせる面持ちでステージに現れた。しょっぱなから「2010年いちばん新しい夏を始めようぜ!」とシャウトするコヤマも、どこか肩の力が抜けている。先ほどのNUBOが見せてくれた熱くて真っ直ぐなライヴとはある意味対照的だが、このまったりとしたムードの中で放たれるセクシー&ファンキーなグルーヴが最高なのだ、彼らは。その証拠に、WING TENTにパンパンに詰めかけたオーディエンスは、"太陽と女の子"や"真夜中のダンスホール"のまどろむようなビートにすっかり身体をあずけ切っていた。

「野外フェスなのにこの屋内に集まる奴らは、普通じゃ満足できないアブノーマルな奴らってことでいいか?」と粋なMCで観客を煽りに煽った後は、キラー・チューン"トラウマティック・ガール"。さらに「来世も再来世も…はとりあえず置いて、とにかく今この時代に、俺と一緒にロックンロールしようぜぇ!」と観客をハイ・ジャンプへと導き、アップテンポなダンス・チューン"Back On"へ突入する。オレンジ色の日差しがテントの横から差し込んでいるにも関わらず、WING TENTは真っ黒なアフロ・ビートとファンキーなグルーヴ一色に。でも、この黒さが最高に楽しい! ふと周囲を見わたすと、WING TENTのキャパを軽く超えた無数の人々が、めちゃくちゃキラキラした笑顔でステージを見つめていた。

ラストは"MIGHTY SWING""バンドワゴン・ア・ゴーゴー"を鮮やかにブチかまし、濃密すぎる30分を終えた彼ら。ライヴ巧者の実力をこれでもかと見せつけた、ものすごく華やかで楽しいステージだった。(齋藤美穂)