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場内アナウンスでは、ただ今の気温35度! 正午が近づくにつれ、ぐんぐん暑さを増しているGRASS STAGEであります。しかし、ステージ上のグラサン&長身の男は、「お願いしま~す」と、いたって涼しい顔――そう、彼こそは、いつだってゴーイング・マイ・ウェイ・シンガー、斉藤和義! しかし、ひとたびオープニング・チューン“COME ON!”の骨太なロック・サウンドが鳴らされるや、ソウルフルで熱いボーカルを響かせ、ギュイン、ギュインと饒舌なギター・ソロも披露。キセルの辻村兄(G)やZAZEN BOYSの松下敦(Dr)を含むバンド・メンバーとのコンビネーションもばっちりだ。続けてヒット・ナンバー“ずっと好きだった”のイントロが鳴ると、フィールドから「ワーッ!」というひときわ大きな歓声が沸き、サビメロでは誰しもがハンズ・アップ! 瞬く間に一体感は最高潮となった。ギター・チェンジの合間には、客席に手をふって、「イェ~イ! 玉置浩二で~す」と前触れもなく大ボケ! オーディエンスをどっと笑わせる。「じゃあ、ちょっと、ゆったりした曲を――」と続け、“ハミングバード”の悠然たるメロディとビートが、一種の清涼剤のように大地をうるおし、さらに代表曲“歌うたいのバラッド”を間断なくプレイ。スクリーンに投影された夕暮れシーンとあいまって、切なさと多幸感で胸の奥がキュッとなるような、感動的な情景をくり広げた。再度ブレイクでは「イェ~イ!」と語りかける斉藤氏――「4日くらい前、10年ぶりくらいに草野球をやってみたんですけど、股関節が大変なことになってしまいました……」と残念な近況報告も挟みつつ(笑)、ライブ終盤は“ベリーベリーストロング~アイネクライネ~”の弾むリズムがGRASSフィールドを心地よくヒート・アップさせ、最後は“歩いて帰ろう”をみんなで大合唱! 11月の『斉藤和義ライブツアー2010』が俄然楽しみになるような、味わい深く、心に染み入るステージだった。(奥村明裕)