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メンバー全員でのサウンド・チェックから、「さあ、始めようかー!」とそのまま本編に突入してしまったSOIL&“PIMP”SESSIONS。いきなり焦燥感に駆り立てられるようなイントロ・セッション。元晴のサックスが、不穏でエモーショナルな旋律を聴かせている。そのまま“Hollow”へと突入し、物語の始まりを告げるようなアンサンブルを繰り広げていった。そして今度はみどりんのドラムが、熱のこもった祭囃子のようなビートを叩き出す。「このビートが聴こえるか!? みんなで始めようぜー!」という社長のアジテーションを合図にして、真夏の屋外にジャスト・フィットなラテン・ファンク・チューン“SAHARA”へと急展開していった。実にスリリングなバンドである。ここでは情熱的な丈青のピアノ・プレイも大活躍する。夕暮れ時の涼しい風が木々の間をすり抜けてくるSOUND OF FORESTに、このパフォーマンスは最高だ。

瞬間的に青白く発光するようなセッション“閃く刃”の後、社長が告げる。「今ここで流れてる空気は、お前たちみんなが吐き出した空気だ。みんなが主役なんだ。セッションというのは、ライブというのは、ステージの上だけでは成立しない。みんなで音を、空気を、作り上げようぜ!」。そして裏打ちのスカ・ビートをフォルクローレ風のメロディが煽り立てる“One Step Beyond”へ。一気に沸騰するオーディエンスである。うまい。そして元晴のサックスとタブゾンビのトランペットがもつれるようにして絡み合う“POP KORN”。バラエティ豊かな楽曲群を次々に繰り出し、バンドの懐の深さを見せつけていた。

「俺ら初めてROCK IN JAPANに出たときは、ここだったな。さあ次で最後だ、みんなで歌おうぜ!」とダンサブルな“SATSURIKU ニューウェイブ”の中で、スケールの大きなシンガロングを導き出す。更には“殺戮のテーマ”の中で「SOIL&“PIMP”! ROCK IN JAPAN!」のコール&レスポンスを求め、熱狂的なインストゥルメンタル・パフォーマンスの幕を閉じたのだった。(小池宏和)