ディープ・パープルの“BURN”と共に登場した6人。1曲目の“ギルティーは罪な奴”からライヴはスタートするも、コテイスイ(Per・D)はROCK IN JAPANのTシャツを着せた2体の人形を手にステージ前方をウロウロしたまま、しょっぱなから自由奔放で危険な彼らのロックンロールがカオティックにLAKE STAGEに満ちた。
「サンキュー、茨城のみんな帰ってきたよ。俺たちの新曲を聴いてよ、次の曲はロック・ナンバーだよ!」と須藤(Vo&G)が言うと、その名の通り“ロックナンバー ~NO MUSIC,NO LIFE.~”を披露。ツイン・ドラムの凄まじいビートが重たくダイナミックに場内を駆けずり回り、そこに須藤の壮絶なヴォーカルが噛み付く。続く“ブラッディ・マリー、気をつけろ!”では彼らの気まぐれなようでいて頼もしい演奏とパフォーマンスに、オーディエンスも思い思いのスタイルで髭の愉快痛快なロックを楽しんだ。最高の遊び場がここにあった。彼らとオーディエンスはロックンロールの愉しみを分け合う共犯関係にあるのだ。
“それではみなさん良い旅を!”“ハリキリ坊やのブリティッシュ・ジョーク”といった楽曲で盛り上げつつ、後半の“テキーラ!テキーラ!”や“虹”では須藤が観客と真摯に向き合って懸命に歌を届ける姿が印象的だった。両手を挙げて、全開の笑顔だって見せた。これまでどこかニヒルなイメージが強かったが、もう出し惜しみのない愛がここに溢れ出していたのだ。ステージを去っていく彼らに、集まった多くのオーディエンスは「ありがとう」と言わんばかりに手を振って見送った。(上野三樹)
髭 のROCK IN JAPAN FES.クイックレポートアーカイブ