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すっかり日も暮れ、手元の温度計では現在気温は26℃。時おり、そよ風も吹き抜ける心地のよい夕刻に登場するのは、2年連続で2日目のGRASS STAGEトリをつとめるユニコーン!(その前の年は3日目の大トリでした) 昨年はベイ・シティ・ローラーズのコスプレで会場をわかせた5人だが、今年は……『インディ・ジョーンズ』のテーマにのって、探検隊のコスチュームで参上! 一気に膨れ上がる期待感の中、ドラムス・川西の4カウントから“ライジングボール”でステージは幕を開け、高揚感たっぷりのメロディがさっそくフィールドの熱を引っ張りあげる。続いて探検帽を脱ぎ捨てて鳴らされた“頼みたいぜ”の、骨太なロック・グルーヴでオーディエンスを丸ごとシェイク! 「ジャパ――ン!」との民生の絶叫も、否応なしに熱狂を煽る(「GO!GO!ヒロミGO!」と珍妙なコール&レスポンスも!笑)。続けて、フライングVを手にした阿部Bがフロントに位置取って、「OK!とばしていくぜー!」とシャウト。そして、民生がカウベルを叩き鳴らして5万人と共に“WAO!” ――なんだかもう、開始早々からユニコーン一色のGRASS STAGEである。とにかく、底抜けに楽しい! 最初のブレイクでは、「これ、テッシーです。こっち、EBI。阿部義晴です。川西幸一です。奥田民生でーす」と、「やっつけかい!」と突っ込みたくなるテキトーなメンバー紹介から、「すいません。ホントのトリはRIP(SLYME)なんですけど、先輩風を吹かせて直前に変えてもらいました。ごめんなさい」と平謝りの民生(もちろん冗談ですYO!笑)。「僕らがこうしてられるのも、そんなに長くはないと思うので、やれることきっちりやらせていただきます!」と、8月31日にリリースされる最新作『ZⅡ』から「閉じて開け! 閉じて開け!」という呪文のようなフレーズが印象的な“レディオ体操”を披露。「これぞ、ユニコーンだなあ」と感嘆せずにはいられなかったのは、その後の“さらばビッチ”。民生がドラムスを担って、川西&EBIがステージを縦横に駆け回って華麗にラップ! サビでは再び川西がスティックを握り、その後またハンド・マイクでステージ最前へと駆け出すという、このバンドならではの自在なフォーメーションで観客を釘付けにしたのだった。



圧巻は、終盤にプレイされた“オレンジジュース”。その冒頭で、豪快に火柱がファイヤー! タイトなバンド・サウンドと共に次々吹き上がる火の玉を前にオーディエンスはがぜんヒート・アップ(「アチィ! こんな飛び道具使ってゴメン!」と民生)。さらに、続く阿部Bヴォーカル・ソング“SAMURAI 5”では、「あなたのスピード」「ヤバくな~い!?」と盛大なコール&レスポンスが決まった直後、「ド――ンッ!」と銀煙弾がスパーク!! ド派手な特効2連発で場内のヴォルテージは一気に沸点越えを記録。堂々たる演奏で本編を終えるも、まだまだ飽き足らないオーディエンスの要望に応えて5人は再び登場。「僕、一回引っ込んでいいですか? イントロで出て来るんで(笑)」と民生が一旦掃け、そのイントロ=ズバリ“大迷惑”が鳴り響くや、フィールドは爆発したように大フィーバー! 「イヤ―――ッ!」と駆け出してきた民生とオーディエンスによる一大シンガロングが、高らかにひたちなかに響き渡った。ユニコーン、老体(失礼!)に鞭打つ快演を、ありがとう!(奥村明裕)